於、実家。庭に出ると、父親にあらせられる方と母親にあらせられる方が、はしごに足を掛けながら、枇杷の木に網をかけて、ごそごそやっておられる。
「なにをなすっておいでで」
かくかくしかじかでありますが、野鳥が来て、実をついばむにもほどがあり、連日群れで押しかけては、さて実がなるぞという頃にはどれも如何ともしがたい。ので、農家がやるよーに、網でも掛けてみるかと。
今迄はそれでも大したことはなかったんですが、昨年あたりからひどうございます。
連中なかなか賢くて、成ってない実は知らん顔で、食べ頃のものにだけ手を出すのが、なんとも。
年中そんなもんで、うめの花も芽の内に随分ついばまれ、せんりょう、まんりょうに、金柑の実も、、、
かくなる次第で、親が梯子に・・・・は、さすがに見ていて怖いので、引き受けました。
が、枇杷の木がやたらと育ってしまって、せいぜい下方の枝の実を網で包むのがやっと。
「木に登ってつけたらどうかしら」
「私の体重がどれだけとお思いで。枇杷は乾かせば固い木だけど、元は柔らかいから、幹に近いところに足が掛けられてせいぜいです」
無茶を御言いでと思った次第でございます。
この網がうまく機能すればいいのですが、どうなることやら。
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