最近のもろもろ

休み中で風邪を口実に気ままに観たり、読んだり(カテゴリーを考えて作ってないから、収集がつかん。今更割り振り直しもめんどくさい!)。

◎DVD 『大塚康生の動かす喜び』

大塚康生の動かす喜び [DVD] の商品写真  大塚康生の動かす喜び [DVD]
出演: 大塚康生
販売元: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

107分の全編アニメーター向けの講義と予想していたら、かなり伝記的。
一言で言えば、「すきこそものの上手なれ」。アニメーションの講座部分は素人目にも興味深いもの。その他、細部もいろいろ関心・感心がありました。
・若かりし頃の社会事情。アニメ界が手垢のついてない新産業だった様子も面白い。
・宮崎・高畑両氏について。彼らとの人間関係。
・面白い人物をどう見抜くかの大塚氏の方法
・熱中するってどこまでどうやることか etc
こういうものは、TVでドキュメントで放送して欲しい、と感じました。

ふと思いましたが、こういうAnimationの人物の動きや俳優の演技を小さい頃から見続ければ、体の運用に影響を及ぼす事もあるのでしょうか。

既に、大袈裟な“芸人”身振り・手振りはそこら中にはびこっている。

いつぞや読んだ甲野善紀宮崎駿対談で、古武術の動きでは、面白いアニメになりません、力を入れる様子を描かないといった旨の発言がありましたが、そういう動きが身に付いたら、アニメでは良くても動きとしては正しいとは言えない。


◎桜井真清「秋山真之
すっかり読みました。付箋が山ほどになるまでに面白い。大体、この頃までは、「面白いからお前来い」と受験なり人事評価の成績とがまぁバランスが取れていた様子。
真之は、兄好古と随分違いますが、あらためてこれを読むと、好古のような人物が居てこそ、またバランスがうまく取れていたのだろうと感じました。(書き損じてました。もう一人、会社員だったその上の兄が居て、郷里ではその三人あっての秋山さんという話だったそうな。)

軍人の話ですが、まぁ先日迄の国家間競争のゲームの理論を考慮すれば、現代人はそこをもろもろ差し引いて、ちゃんと読める物と思います。*1

人が人を見ていた話がやまほどあるのが一番面白く感じましたが、それを現代の日本でどうやって実現するのってなると、さて一体どうするものやら。


梅田望夫シリコンバレーから将棋を観る

シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代 の商品写真  シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代
著者: 梅田 望夫
出版社: 中央公論新社

友人から薦められました。普段著者が発言していることをfollowしていると、さして目新しい所がないやも知れませんが、普段は抽象的に語られていることが、将棋との比較を通じて、具体的に書かれているのでいろいろ判りやすい・・・これがこの本の利点と言えましょう。
「将棋を指さないけれども、将棋を観て楽しむ人のための本」で、なんとも、うまくいいがたいので、書店でお手にとって中をご覧くださいませ。
将棋界はなぜ発展するのか、結局、誰が何をやったかが全部表にでているからなのでしょう。数学界と似てますね。
あと、もう一つ。文中著者が、「やっと、自分が一番興味があることがなにか確信がもてた」というようなことを書かれていますが(付箋貼り忘れで、記憶だのみにて失礼)、これはお若い方の迷妄を解く一言かと思いました(50手前の人がそういってんだから、安心おし、みたいな)。


◎ブログ 物語三昧
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/
本ではありませんが、異論なし。楽しみました。メーカー勤務時代を思い出しました。ブログ主に深謝。

例えば、この記事、
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20090502/p4
『だから「これ」を前提に入れて戦略を練っていかなければならない、と思う。』と言えるところが良いのでしょう。自分はこういう書き方はしないなぁと思う所がまたよろし。

ここでちょろっと思い出す、昔話。
とある奇麗なお嬢さんに(魂が抜かれるようなお嬢さんでした)、

「せるげーさんの夢見たんです」
「へぇ!どんな?」
「ペットショップの店長さんみたいなの、それで前掛けしていて」
「ボクが店長?」
「そう、それでわたしがオーナーなんです。で、丘の上から大きな声で叫ぶんです・・・・」
「・・・・・・」
「それじゃー、大衆の心は掴めないーーー!!って」

女の人ってのは、こういう大正解をやらかすから面白いです。*2
そうそう、自分について、文章の様子と、実際に在った印象が随分違うと云う意見をよく頂きますが、なにがどういうことなのかまで言わないとなんだかわからんぞ、と。

アロンソン&プラトカニス『プロパガンダ—広告・政治宣伝のからくりを見抜く』

プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く の商品写真  プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く
著者: アンソニー プラトカニス, エリオット アロンソ
出版社: 誠信書房

こういうところをうがって考える人には特に目新しい事はなく、纏め方もそんなうまいとは思わない。けれど、事例が豊富で、読みながら自分で再整理するによい題材。
纏め方がうまくないと書いたけれど、むしろ、あんまり小奇麗に纏められずに、各種の事例を山ほど挙げ、雑然としているからこそ、読み手は自分で考えることを刺激されてよいと考えた方がいいかも。一読おすすめします。
そういった細々とした事象からいろいろ感じる方が、よい体験になると最近よく思います。
ここで得た知見を悪用するかどうかは、本人の質でありますことよ。

その他、数冊は別途まとめて紹介すべきもの、個別に長話したいもの等々なので先送り。

さて、風邪の調子も戻ったようで、明日は部屋掃除とバイクの手入れ(ぜんぜん、のっとらんなぁ。混雑するとつまんないんだもん・・・)でございます。

*1:これからは、うまい共存共栄的価値観を提示しつつのリーダーシップなのでしょうけれど、実態はいまでも十分ドロドロしていて、そうでないと思っているのが我々だけだったり?やんわり、ニコニコ、どろどろ路線???そこら辺の線引きがややこしいけど、今にはじまったことでもなさそうです。

*2:はい、いまだ「女の人」と総体的に観てます。