ミュージカルというかなんというかを見て来たぞ!の巻

DVD ロブ・マーシャル監督《シカゴ》のAmazonの商品頁を開く先日、かわいーお嬢さんの知り合いが、、、知り合いというより、わたしが良いカモなだけではないかという疑いは甚だあるのですが、

 ベリーダンスで舞台に立つので見に来てください!

というので、都内某所に観に行って参りました。ベリーダンスなら、露出が多いので、

 肢体を確かめたい。。。

なんて書くと、微妙にフランス書院みたいですが(←古いよっ)、そんなよこしまな欲望があったことは否めません

それは兎も角、その方、舞台で見ていて、つったっていても主張を感じ、なかなか良い素材と思いましたが、台詞もないので残念でした。

まったく率直に言うと、

 いいからだしてんなー、おいっ

と思ってみてました。

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でもって、
迷惑かからないようにぼやかして書きますが、ミュージカル仕立ての芝居で、凡そ1時間半。

ストーリーは、悪い王様に連れてかれた踊り子のお嬢さん・・・恋人をその王様に殺されて、王様には首を肯んぜずして幽閉され、きづくとその恋人の子を孕んでいて・・・必死に脱出口をはかるものの、気づけば追っ手に包囲され、、、しかし、王様はそんな悪い人でもなくって、ゆるしてあげたとさ・・・というもの。*1

各所各所に歌と踊りが入って、それで関心をそらさないように、というのかそこがメインなのか。マイクで歌います。

お客さんが、列から計算すると1000人弱といったところ。知人・友人の類いも多そうですが、結構、若い男の子、女の子も居て、年齢層は、小さなお子さんは、親御さんが連れて来ただけとして、20前後から40くらいがメインかな。

でもって、不思議なのが、結構、台本はなんぢゃらほいという出来で、なんというか子供っぽい。媚びるといっては悪いけれど、「芝居を無心に見て、感ぜよ」ではなく、観客にお愛想を振りまくことも多々あり。

お客さんは、ほんとうにおもしろがっているのか、義理なのか・・・と幾らか勘ぐっていたけれど、よく判らなかった。

ただ、TVでも、映画でも、最近は台本がなんだか子供っぽいので、あーゆーものでないといけないのかも知れず、なんとも。

思い出したけれど、友人にそんな疑問を呈したことがあって、曰く、「疲れて気休めの娯楽をもとめる人間に難しい事をいってもいたしかたないんだ」と。

かくなる次第だから、演技もなにもだいたい推して知るべしというところでしょうか。

いつの頃から、主流になったのか、舞台でじたばたじたばた活発にうごいて、わーわーわーっと元気一杯に話すのが、どうにも苦手で、でも「一生懸命やってる」というところが一番判り易いとすれば、そういうものになるのかしらん・・・などと思いました。(その知り合いのかわいーお嬢さんは、セリフなしですっ。踊りだけ。)

前にも、知り合いの妹御さんがお出になるという芝居を見て、それはミュージカルでないけれど、まぁ似た様な感想を持った事を思い出しました。

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DVD ボブ・フォッシー監督《オール・ザット・ジャズ》のAmazonの商品頁を開く前衛的でもない現代物で、さりげないユーモアはあっても、お愛想的コミカルな要素はまったくなく、わーわーしゃべらずに控えめで、普通のお芝居ってあるのでしょうか?あっても、なんかお客さんこなさそーな感じはしないでもなかったり。。。

そうなると、よほど台本の出来がよくないとダメなので、なかなか難しいのでしょうか。ここら辺、さっぱりわかりません。

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そうそう、その出し物の台詞に

「女は初めての男は一生覚えているっていうじゃない?」

というものがあって、すぐ目の前の10にも満たないお嬢さんが、

「お母さん、それほんと!?ほんとなの???」

とわけもわからずそんなことを無心に聞いていたのが、知り合いの女の子の肢体と同じ程、スリリングだったのでした。

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ミュージカルってそんな見ないのですが、いままでたまたま見た中で面白かった二つを序でに。

DVD ボブ・フォッシー監督《オール・ザット・ジャズ》

DVD ロブ・マーシャル監督《シカゴ》

といっても映画版ですが、どちらにしても、ちょっと大人向けで、舞台はうまく虚実ないまぜになって、ぱっぱっと展開も手早く、都会的でクール。一言でいうと、「かっこいい」。でも無理した都会っぽさがないように思うのは、奥の方でエモーショナルなとこは結構、古典的だからかと・・・なんとなくいま思いつきました。

オール・ザット・ジャズ》は中学生くらいの時に、TVでみて以来お気に入りです。病気で死に掛けの敏腕舞台演出家が、お追従やら、金目当ての仕事仲間や、不義理な関係のお嬢さん達の中で虚勢をはりつつ頑張ってますが,裏では一人寂寥感を感じちゃったりしつつ、最後の舞台を仕上げるという話。その舞台が男の人生と混じり合って、なんじゃらほいなのですが、面白いです。結局、最後まで親身になってくれるのは家族だけ・・・というのは、男の甘えでしょうか?時間軸も、場所もさまざまな違うものを、ごちゃまぜにつないでいきますが、テンポといい、なんといい、うまくできてます。もう作られてから、30年ほど立ちますが(1979年製作)、いまだ十二分に「現代風」な作風と思います。*2

後者、
《シカゴ》は映画観で見たような。こちらの方が、ご覧の方は多そうです。なんというのでしょう、舞台のトップをめざすかっこいい女とかわいい(ふりした)女の女一代記。なんて、わたしの描写も古過ぎますが、どっちも大した目ギツネながら、ライヴァル関係の争いの中で、いろいろ見せる心情のゆれなりなんなりが、なんだかんだいって、きちっと描写されているのが、共感のもとでしょう。

その時、一緒に見ていた連れ合いとの状況が微妙に《シカゴ》だったので、色んな意味でドキドキしました。

観劇後、

「あの映画をわれわれが行く・・・とゆーのは、なんつーかこー毒含みだよね・・・」

「・・・ふーん、そんなこと気にしてタンだ(微笑)」

がいまだに記憶に残ります・・・

どちらも有名なので、ご覧になったことがあろうかとおもいますが、まだでしたら、2時間の楽しみは確実に供給するものですから、レンタル屋さんなどでどーぞ。

*1:脚本書いた人は、コードギアスグレンラガン好きだったんじゃないか、、、と思ったのでした。

*2:まぁこの頃の作品以降、いわゆる“現代風”っていろんなジャンルでなかったり・・・