まだ間に合う!?年末年始のクラシック

年末年始、どこをまわしても似た様な連中の出ているTVを見るのは不毛、とお思いの方も多いのでは?これについては、今更何を言うべくもないと思います。

といって、映画を借りて来て、これまた流行映画で、わーっ、どかーん、やられたー、好きー、いちゃいちゃ、どかーん、勝ったー!やったー!!のバリエーションを見るのもこれまたどうかと。

そこでタイトルの話になりますが、本業サイト&ブログの頁を持ってきながら、自己紹介を兼ねて、いまからクラシックをいろいろ聴きたいなっという方に向けての記事をピックアップしようかなと。最近このブログの新しい読者の方もお見えになっているようで、良い機会と思って居ります。

なぜこんなおすすめ紹介が、自己紹介を兼ねるかと言うと、読んでるもの、見てるもの、および、それに関する私の感想(かかわり合い)が書いているので以下略。映像ものから選びました。



◎映画その他の映像、エンターテインメント系

って、書きながら、いきなりクラシックといってもジャンルが違いますが、決して広く知られてなさそうなので、

1.ヴィクトル・エリセ DVD-Box

ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール  の商品写真  ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール
永遠の傑作「ミツバチのささやき」・「エル・スール」、エリセ監督自身の監修によるHDニューマスターにて決定版DVD化。デビュー作の小品「挑戦」も併収!
出版社: 紀伊國屋書店

http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20081022/1224683942#victorelise

は、まだご覧になってなかったら、ぜひ!という映画。変な話ですが、この映画を見た人がどういう感想を持ったかどうかで、繊細かどうかを決めていたり。。。こういうものが売り上げ順位の百何位に入るというから、日本も大したものだな〜なのでしょうか?

他にも挙げようと思うと、好きな映画が軒並み在庫切れ。ヒッチコックや小津なら、そこそこご覧になっているでしょうし、、、そうですね、、、いかにも正月にのんびりとであれば、

山猫 4K修復版 [Blu-ray] の商品写真  山猫 4K修復版 [Blu-ray]
ルキノ・ヴィスコンティ監督 バート・ランカスター, クラウディオ・カルディナーレ, アラン・ドロンほか
販売元: KADOKAWA / 角川書店 日本語字幕

イノセント Blu-ray  の商品写真  イノセント Blu-ray
巨匠ルキーノ・ヴィスコンティ、最後の傑作!
ガブリエーレ・ダヌンツィオの「薔薇小説」三部作のひとつ『罪なき者』を映像化! 『青い体験』などで一世を風靡したラウラ・アントネッリがヒロインを演じます。
販売元: IVC,Ltd.

でしょうか?後者、藤棚だったかな?そこをまわりながら夫婦が話し合って、関係の破綻が決定的になるシーンなんて見事です。*1

2.落語

落語は、まだちゃんと聴いたことがないということであれば、こちらの

http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20081122/1227309432

記事で取り上げた、

特選!!米朝落語全集 第二十集 [DVD]  の商品写真  特選!!米朝落語全集 第二十集 [DVD]
収録作品: 風の神送り 平成2年9月18日 大阪コスモ証券ホールにて収録(31分) / どうらんの幸助 平成3年3月12日 大阪コスモ証券ホールにて収録(33分)
販売元: EMI MUSIC JAPAN

古今亭志ん生 名演大全集 1 火焔太鼓/黄金餅/後生うなぎ/どどいつ、小唄 の商品写真  古今亭志ん生 名演大全集 1 火焔太鼓/黄金餅/後生うなぎ/どどいつ、小唄
五代目古今亭志ん生の名演集シリーズをリニューアル。人気の演目に加えて、未CD化の音源をAPPカンパニー(小島氏)監修のもと、組み替えたリマスタリング盤。全48タイトル!
販売元: ポニーキャニオン

落語決定盤 三代目三遊亭金馬 ベスト の商品写真  落語決定盤 三代目三遊亭金馬 ベスト
二枚組 収録作品: Disc1. 居酒屋 1958/11/2 NHKラジオ放送 2. たがや 1956/4/21 NHK 3. 花見の仇討 S34.4.5 NHK Disc.2 1. 茶の湯 S31.5 NHK 2. 小言念仏 S34.5.21 NHK 3. 藪入り S30.3.4 NHK
販売元: 日本コロムビア

が、とっかかりに良いのかな・・・。中学生時代、わたしのウォークマンにはよく五代目志ん生と三代目金馬が・・・*2

3.その他

クリスマス前に届くか判りませんが、

http://sergejo.seesaa.net/article/111065448.html

この記事に書いた通り、DVD購入可能だそうです。滋賀県に近い方は12/23に公演もあるとのこと。一石二鳥、三鳥ですから、ぜひどうぞ。



クラシック音楽で!

なにがいいんだか、わるいんだか、、、これは、常々、自分の感性を正直に捉えていれば趣味はいろいろと出来てくるはずで、宣伝文句だの、演奏者や作曲家の苦労話に流されすぎない(考慮に入れても、兎に角、流されすぎない)で居れば、いいとは思うのですが、そんなこと言っても、やっぱり、、、かも知れません。

そんな時、名指揮者・演奏者のリハーサル映像をご覧になりながら、どんなことを注意して音楽を作っているのか、どんな風に音が変わって行くかを聴いて行くと、いろいろ面白い発見があるかもっ!いま手に入り易いものから行きますと、、、先ずはオーケストラ

名指揮者の軌跡 Vol.2 フェレンツ・フリッチャイ/スメタナ:交響詩<モルダウ> [DVD]  の商品写真  名指揮者の軌跡 Vol.2 フェレンツ・フリッチャイ/スメタナ:交響詩<モルダウ> [DVD]
1963年に白血病で亡くなったハンガリーを代表する指揮者、フェレンツ・フリッチャイの映像記録 オーケストラは南ドイツ放送交響楽団
販売元: ジェネオン エンタテインメント

関連記事は、http://sergejo.seesaa.net/article/93692687.html

名指揮者の軌跡 Vol.1 カルロス・クライバー J.シュトラウスII世:喜歌劇<こうもり>序曲、ウェーバー<魔弾の射手>序曲 [DVD]  の商品写真  名指揮者の軌跡 Vol.1 カルロス・クライバー J.シュトラウスII世:喜歌劇<こうもり>序曲、ウェーバー<魔弾の射手>序曲 [DVD]
当時39歳だった名指揮者、カルロス・クライバーのリハーサル風景と本番演奏を収録。演奏は南ドイツ放送交響楽団
販売元: ジェネオン エンタテインメント

こちらの関連記事は、http://sergejo.seesaa.net/article/93557116.html

上の二つが気に入ったら、

Firebrand & Philosopher: Celibidache の商品写真  Firebrand & Philosopher: Celibidache
チェリビダッケ本人はもとより、家族や知人のインタビューも織り交ぜられた、ノルベルト・ブゼによる映像
販売元: Arthaus

なども。チェリビダッケのドキュメントも面白いものが多いです。大体どんなリハーサルでも気が抜けて、なんとなく周囲と合わせただけといった様子を見とがめると、禅問答をはじめます。いや、なにかにつけて禅問答しますね。うまく行って、ちょっと自己満足してそうでもはじめます。

室内楽ですと、これが実に実にいいものがありまして、

ボロディン弦楽四重奏団 [DVD]2枚組  の商品写真  ボロディン弦楽四重奏団 [DVD]2枚組
ボロディン弦楽四重奏団の名演奏と貴重なマスタークラス・レッスンの実況を収めた2枚組。マスタークラス講師は、創設メンバーでチェロ担当のベルリンスキー。
販売元: アイヴィーシー

これの中身については、http://sergejo.seesaa.net/article/110471632.htmlをぜひご参照ください。二枚組の二枚目がマスタークラスになっていて、弦楽四重奏のさまざまな話が出てきます。今後、室内楽を聴くのが楽しくなるかも。

ピアノ関係は輸入盤しかなく、言語が英語、字幕は仏、独、西で英語が出来れば、、、ですが、

Barenboim on Beethoven Masterclasses [DVD]2枚組  の商品写真  Barenboim on Beethoven Masterclasses [DVD]2枚組
バレンボイムが6人の若手にベートーヴェンソナタをマスタークラス。あのラン・ランも登場!
EMI Classics

が傑作の一つ。記事は複数合って、http://sergejo.seesaa.net/article/107229003.html#enbaremboim にいろいろ駄文を連ねて居ります。的確な指示でみごとに変わる音楽の様子。「言うは易し・・・バレンボイムだって!!」という声もありますが、実際、同じ企画で録音されたバレンボイムベートーヴェンのライブ録音が(別のセットとしてリリースされています)、そこまでできているとも思えないのがご愛嬌(?)。なんにせよ、こんな問題があるよっ!和音はこの音をもっと強めないと、展開部でこのパッセージがなぜこうなのあーなの?という話は大変刺激的で、どこまでやらせか実力かは兎も角、売れ線の若手でさえコテンパン!

ピアノでしたら、ネット素材にも素晴らしいものもありまして、

http://sergejo.seesaa.net/article/72977180.html

をぜひどうぞ。モダン系ピアニストの横山幸雄さんですが、これがこれが、、、。*3

ヴァイオリンについては・・・

そうそう、はたと思い出しましたが、結婚式のお祝いにクラシック音楽ものをあげてファンを増やそ〜と書いた記事がありました。誰にでも薦めやすい本格派がほんのわずかですがまとめております。

http://sergejo.seesaa.net/article/97354947.html

この記事の後半でいろいろ取り上げているDVDに触れている中のひとつ

アート・オブ・ヴァイオリン [DVD]  の商品写真  アート・オブ・ヴァイオリン [DVD]
出演:クライスラー, オイストラフ, シゲティ, ハイフェッツ, ヌヴー, メニューインほか
監督: ブリューノ・モンサンジョン

が、往年〜現代の名人までの演奏をずらずらと、現役ヴァイオリニストの面白い解説&一芸つき(ギトリスによるフランチェスカッティのマネなんて最高!!)で見せてくれます。同じシリーズにピアノと歌手のものがありますが、このヴァイオリンに比べると、映像は貴重ですが、編集・構成が今一で、どうでしょう、、、という内容。その解説者の一人、ヒラリー・ハーンが来年一月に再来日しますが楽しみです。今年行ったコンサートで、飛び抜けて良いものの一つでした。彼女の音は必ずしも録音に拾えてない感じがして、CDより、このDVDの方が良いかも、、、

ヒラリー・ハーン: ポートレート [DVD]  の商品写真  ヒラリー・ハーン: ポートレート [DVD]
2005年にドイツで放映された、ベネディクト・ミロウ監督によるクラシックドキュメンタリー。人気と実力を兼ね備えたバイオリニスト、ヒラリー・ハーンの秘められた素顔に迫る。

ご本人間近で拝見したら、写真に以上に麗しい御方でありました。

以上、半分学習系素材ですが、なにかオペラで気軽なものない?という場合、これはご存知の方も多いやも知れませんが、一本に絞って、

ヴェルディ 歌劇《椿姫》全曲 [DVD]  の商品写真  ヴェルディ 歌劇《椿姫》全曲 [DVD]
2005年8月のザルツブルグ音楽祭での歌劇『椿姫』名公演を収録。ヒロイン ヴィオレッタにはあのアンナ・ネトレプコアルフレードはローランド・ビリャソンが務めます。
販売元: ユニバーサル ミュージック クラシック

現代風のシンプルな舞台。「派手な19世紀風で見たいのに、、、」と思われるかも知れませんが、これがかなりいけてます。現代的な奇抜な演出もちょっと大人っぽく、細かなアイディアが光っていて、なんにせよおすすめ。これを見ると、いろいろオペラ聴きたい、見たい!と思ってしまうものでしょう。

「イタリアオペラなんて・・・」などと固いことを仰る方など、ぜひ騙されてご覧くださいませ。気軽に見ていて、最後しーんとなってしまいます。

古楽系のDVDもご紹介したいところですが、私自身いろいろ学んでいるところで、映像系はまだ見通しが付いて居らず、今年はちょっと保留したいと思います。

*****

年末大掃除しながら聴きたい!そうでないと集中が持たない!だからCDで!!という方には、、、

今まで結構日本人演奏者を押しているのに、滅多なことでは売れないのです。なんでーーー!!という思いです。

なので日本人演奏者ばかりで推薦してみましょう。鍵盤音楽に絞りますね。

大井浩明:ベートーヴェンフォルテピアノのためのソナタ集 Plaudite Amici IV の商品写真  大井浩明:ベートーヴェンフォルテピアノのためのソナタ集 Plaudite Amici IV
クラシック界のマツコデラックス 大井浩明がフォルテ・ピアノ アントン・ワルター・モデルで奏でる好演!
販売元: OPUS55

関連記事は、http://sergejo.seesaa.net/article/111358625.htmlです。ベートーヴェンソナタは全曲聴いてもまったく惜しくないもの。といって、セットをいきなり買うのは気が引ける、、、という方には、只今進行中のこの録音を徐々に揃えるのが一案です。フォルテピアノの演奏ですが、大変刺激的。フォルテピアノはピアノの前身で表現力に欠ける、、、という通念を崩す為に、さまざま趣向を凝らした演奏では?*4

もう一つは、上に出てきました横山さんのバッハの《ゴルトベルク変奏曲。なにはともあれ上手すぎて、あっと言う間に時間が流れます。「どんな演奏?」と聞かれても、わたしには「上手い」としか言葉がでてこない・・・

バッハ:ゴールドベルク変奏曲 Hybrid SACD の商品写真  バッハ:ゴールドベルク変奏曲 Hybrid SACD
演奏: 横山幸雄
レーベル: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

ふたたび、古楽系に戻って、最近教育TVのドイツ語講座に出演されてご覧の方も多いのでは、バッハ・コレギウム・ジャパン鈴木雅明さん声楽ものでしたら、

Sacred Masterworks (Ltd) (10CD Box), Import の商品写真  Sacred Masterworks (Ltd) (10CD Box), Import
演奏: Masaaki Suzuki / Bach Collegium Japan
レーベル: BIS

価格・曲目の両面から、これは大変おすすめセットです。ミサ曲ロ短調ヨハネとマタイの受難曲、クリスマス、イースター、昇天祭オラトリオが入っています。

鍵盤楽器で言うと・・・ですと・・・鈴木氏のハープシコード演奏(=チェンバロ)がすごくよかったです、私には。大人ピアノで習っていたインヴェンションとシンフォニアの解釈の参考にしたり・・・。

おすすめとなると、ゴルトベルクなど聞きやすいので良いかな。名演も多いのですでに持ってる方など、聞き比べもできますね。

Keyboard Works II, Import の商品写真  Keyboard Works II, Import
演奏: Masaaki Suzuki / harpsichord
レーベル: BIS

パルティータなども聴き易いと思います。

6 Partitas [2CDs],Import の商品写真  6 Partitas [2CDs],Import
演奏: Masaaki Suzuki / harpsichord
レーベル: BIS

その他、そうですね、、、といろいろと挙げて行くと、切りがないので、ぜひ

http://sergejo.seesaa.net/article/107053901.html

http://look4wieck.com/w/?p=167

などをゆっくり少しずつ眺めていただけると!

こんな系統の曲で、というご質問は、いつでもコメントにどうぞ。とは言え、誰それのなんたらの何年録音と何年録音はどっち?ですとか、とても範囲が広過ぎて、お答えできません。そこまで行くと、各人が自分で掘り下げるべき話と思いますので、あくまで、いまから聴き進めたい方限定で*5

ではっ



******
以下、id:kany1120さん、コメントに答えて、


基本的には、こう考えればいいのではないでしょうか?

・現代当たり前と思われている楽譜の読み方や楽器演奏法、また、物理的な楽器そのものが、実は近現代の産物であって、作曲当時とは様相がかなり違う。
・そこで当時の演奏習慣を知り、正しい解釈をするためのアプローチ方法を考えてみましょう。答えというより、アプローチ方法。やってみたら面白い発見があった!(ここらは後述のアーノンクールの本を読むとよいでしょう。)

これが調べれば、調べるほど、時代どころか地域でも人・団体でも千差万別で、最終的には当人の美観というか美耳の基準による・・・のが面白いところ。ちゃんと調べ二調べ尽くした上でも、当人のセンスは問われてしまう。


>いったいどこからを「古楽」と呼ぶのか
これ結構今となっては見え難い問題で、そう単純にきっちり分けられる問題でもないようです。楽器さえ古いの使えばよいわけでもない。大体楽器選びだって、ものによっては調べると切りがない・・・

1)曲としては、最初はバロックあたりに始まり、もっと前の中世ルネッサンスに行く人も居れば、そこで得たアプローチを古典派以降に適用する人も増えた
2) 楽器としては、我々に馴染みの、ざっくり言って、19世紀後半にできあがったモダーンな楽器群ではなく、作曲された当時の楽器を復元するのが始まりで(だから、最初はバロック時代の楽器の復元)、それが段々時代をさかのぼったり、下ったり。楽器に関しては、ピッチどうする、そもそも平均律でいいの?とかまた素人にはややこしい話に、、、
楽器そのものの研究も進み、同じチェンバロっていったって、20〜30年前の復元品と今のそれじゃ素材も変わっていて、全然違って聞こえます。
3)奏法と重なりますが、フレージングどうするこうするの楽譜の読み方も文献学的研究が進み、それを活かそうといろいろと、、、これも、また、モダーンな曲のモダーン楽器による演奏にも活かせるという考えが出て、、、

とは言え、楽譜の読み方一つとってもどうも単純でないので、いわゆる古楽ないしはピリオド演奏(ピリオド演奏は「その当時(=ピリオド)のことを考える」ってな意味ある)が流行ってきたものの、なにか答えがあるわけじゃない。戦後に段々と普及したとは言え、長い間やっていると、いろいろ調べの足りないままの過去の判断・やむを得ずの判断が、真説として流布しちゃったり、、、なんていい加減な話もある。中途半端に聞きかじった有名指揮者がテキトーに取り入れて、またそれが流布する。
変な流行り方をする一方で、普通に古楽科出てれば、常識に過ぎないことが、やってない人にはまったく通じてない・・・なんて現状でもあるらしーです。

・・・とまー結構ややこしい感じで、古楽だ、ピリオドだ、が私の様な素人にはわけがわからなくなりますが、モダンオーケストラとモダン指揮者がちゃらく古楽奏法なんて取り入れてるのを聴いていると、単に人数減らして、慣れないbowingしてんなYO!それ、妙な折衷で音楽としてほんとうに面白いの?みたいなこともあり、、、という状態でしょうか?ベートーヴェンの8番など、構成人数減らして古楽風にやるのとか勘弁して欲しい。いまの音楽ホールと当時じゃ規模が違うのに、単純に持って来るなと。

兎や角言わずに、まー演奏を聴いてみましょうや!となっても、誰がいいの?という話になります、、、私見(+私の信頼している筋のご意見も含めて)では

鍵盤楽器だったら、
フォルテピアノなら、上の大井さんは勿論、バドゥラ=スコダのモーツァルト(6枚組)。なんかジャケット写真がミッキー・ローク・・・

Badura-Skoda - Mozart: Pianoforte Sonatas[6CDs], Import の商品写真  Badura-Skoda - Mozart: Pianoforte Sonatas[6CDs], Import
Paul Badura-Skoda(Fortepiano)
レーベル: NAIVE

(Johann Schantz, Vienne ca.1790)

van Oortのモーツァルト(14枚組)

Van Oort - モーツァルト:鍵盤楽曲作品全集 Mozart: Complete Keyboard Works [14CD], Import の商品写真  Van Oort - モーツァルト:鍵盤楽曲作品全集 Mozart: Complete Keyboard Works [14CD], Import
Bart van Oort(Fortepiano)
レーベル: Brilliant Classics

同じvan Oortのハイドン(10枚だか、11枚組)

Van Oort -  ハイドン:鍵盤楽曲集 Haydn: Klavierstucke [5CD], Import の商品写真  Van Oort - ハイドン:鍵盤楽曲集 Haydn: Klavierstucke [5CD], Import
Bart van Oort(Fortepiano)
レーベル: Brilliant Classics

van Oortの録音はその他結構でていて、みな評判もよろし。


チェンバロなら、上に書いた鈴木さんと例えば・・・クロシエヴィッチ(と読むのかな?)だとかデュッチュラー

Scarlatti: Sonatas Import の商品写真  Scarlatti: Sonatas Import
アーティスト: Wladyslaw Klosiewicz
レーベル: Accord

Ursula Dütschler - J.S.Bach: Toccatas Bwv910-916 Import の商品写真  Ursula Dütschler - J.S.Bach: Toccatas Bwv910-916 Import
Ursula Dütschler(Harpsichord)
レーベル: Claves

William Byrd: Pieces from the Fitzwilliam Virginal Book, Import の商品写真  William Byrd: Pieces from the Fitzwilliam Virginal Book, Import
アーティスト: Ursula Duetschler (Harpsichord)
レーベル: Claves

この二人の方など実に素晴らしい。チェンバロが音がドライとか、ちゃらちゃらして表現力が足りないとか、タッチで違いがでないとか、そんなこと言えないよね、、、と。いや、超びっくり。
バッハで古楽系でも、こんなにエモーショナルで、ドラマティックで、と感心。なんでそういう弾き方になるのか、鍵盤楽器かじっていると大変興味をそそられるでしょう。


室内楽系はわたしもまだまだ聴いた量が足りなくて、コメント控えていますが、まぁ上の奏者が参加していたらある程度信頼する他ないかなと。室内楽だと合奏の練習時間というものがあって、古楽系の四重奏団もやっぱ片手間?と思わせなくもない、、、合奏があう合わないはまた別問題で、私が今年聴いたコンサートでは、正直練習量が、、、と感じてました(ので、「このくらいならいいや」で誉めているけれど、べた褒めしていないです)。


オーケストラだと、取りあえずは、最近インマゼールの安いのも出てますが、ガーディナーとか、アーノンクールから入って行けば自然広がって行くものでしょう。*6 そうそう、http://sergejo.seesaa.net/article/111317807.htmlの記事の後半でガーディナー指揮の幻想交響曲のDVDを取り上げていますが、これは大変面白いのでは?


でもって、kanyちゃんは、楽器やっているし、楽譜を読める訳だから、ちゃんと本をよんでみてくださいませ。ひとまず三人三冊を挙げます。
まずはアーノンクール

古楽とは何か―言語としての音楽 の商品写真  古楽とは何か―言語としての音楽
著者: ニコラウス・アーノンクール
出版社: 音楽之友社

アーノンクール古楽運動の始まりの一人で、この本には、どうしてそんなことをしたのか、どんなことをやったのか、それで何が得られたのか、何を得ようとしたのか等々、面白いことが書いてあります。耳にやさしい音楽を求めたのでないことは、よく判ります。

いつぞやも触れたピアニスト スコダの本。スコダはもともとは現代ピアニストですが、あるときフォルテピアノを聞いていじってすっかり魅せられたとかなんとか、

バッハ 演奏法と解釈 ピアニストのためのバッハ の商品写真  バッハ 演奏法と解釈 ピアニストのためのバッハ
著者: パウル・バドゥーラ=スコダ
出版社: 全音楽譜出版社

これの第八章を最初に読んでも面白いです。装飾法はどうする、フレージングはどうする、アーティキュレーションってなんだとこまごまこまごま。どういうドキュメントを揃えて、どう判断するかスコダの例が書いてあります。
最後に、これが一番素人にはきついと思うけれど、日本の橋本英二さんの

バロックから初期古典派までの音楽の奏法―当時の演奏習慣を知り、正しい解釈をするために の商品写真  バロックから初期古典派までの音楽の奏法―当時の演奏習慣を知り、正しい解釈をするために
著者: 橋本 英二
出版社: 音楽之友社

こちらも楽譜の読み方や楽器その者についてこまごまこまごま・・・

などを読むと、そりゃ私なんかの浅知恵をすぐに凌駕すると思います。といいますか、多分、読むといろいろパースペクティヴが変わる筈。

上に挙げた中の後者二冊は、自分でファクシミリ版楽譜と信頼できる印刷楽譜を並べて検討する人は、辞書のように「こういう時、どーするんかな〜」と使うものでしょうから、私にはとてもとても専門的すぎ、、、


ちまたでは、下手すりゃヴィブラートするかしないかの話になったりしますが、そんなわけはない。だって、ヴィブラートのあるなし程度の話なら、今も聴ける1920年代の録音だってそうなわけで、古楽だ何だの話でもないでしょうと、、、、

Josef Wolfstahl - Beethoven: Violin Concerto, Mozart: Violin Concerto Nr.5 etc Import の商品写真  Josef Wolfstahl - Beethoven: Violin Concerto, Mozart: Violin Concerto Nr.5 etc Import
Josef Wolfstahl(Vn), Manfred Gurlitt(cond.) / Berlin Philharmonic Orchestra etc
Pearl

Karl Muck - Wagner:Orchestral Recording, Import の商品写真  Karl Muck - Wagner:Orchestral Recording, Import
Karl Muck(cond.) / Berlin State Opera Orch.
レーベル: apr

どちらもおすすめ。上はヴォルフシュタールの弾く、ベートーヴェンのVn協奏曲の名演があり、下は、カール・ムック指揮のワーグナー

じゃあ一体どんなパースペクティヴが得られるのか?わからないなりに読んで、私なども家で電子ピアノいじっていても、なんだかアプローチが変わったというか、考え事が増えました。。。

ひとつの答えが得られるのでなく、各人がそれぞれに答えを探す際の方法・・・これがパースペクティブなのでしょう。別に現代楽器を使おうとそれは有効でありましょう。


すっかり、長いけれどもう一つついでに、http://look4wieck.com/w/?p=172で取り上げている本を読むと面白いけれど、おすすめCDの著者の趣味自体は時にどうかなと思ったりしてます。あくまで時にですけれど。(あの方、後期ロマン派が一番すきそう。)。


p.s.:そうそう、ベートーヴェンの全集はバックハウスは結構売っているのですが、アニー・フィッシャーなんて一回も売れないのです!なんたる◎髑髏δ×!!
バックハウスのがいいと思うけど、アニー・フィッシャーの方がちょっと叩く感はあるけど、あたまに売れてもいいのに・・・

*1:ヒロインはラウラ・アントネッリです。ある年齢層がお世話になった方です!

*2:2016年某日注:中学時代にタモリのCDを誉めたら、祖父母に「あんなもん子どもの聞くもんだ」と落語を奨められ・・・。

タモリ2 の商品写真  タモリ2
密室芸人時代・似非インテリタレント時代の名作
販売元: Sony Music Direct

タモリも近年いうことがまた変わってきましたね。いつぞや好きな魚はと聞かれて、「・・・いわし・・・あじ、さんま・・・ぶり」。こんなもん年を取らないとわからないw

*3:YouTubeを探すと横山さんのマスタークラスは他にも出てきます。近年、頭が落ちてしまってすごく首が凝ってそうな気がしますが、どうなんでしょ・・・

*4:モダーンピアノの演奏と聞き比べると面白いと思います。セットは実際は割安ですし。そちらのおすすめは、http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20081028/1225131633の後半に幾つか載せて居ります。

*5:メルアドご存知の方は、メールの方でも良いですよ〜。CD-R版等々はご勘弁を!私もそちらは詳しくないです。

*6:勿論、いまはいろいろな団体、個人が山ほど居るのですが、、、