NHK 21:00のニュースを見て・・・&ヴィクトル・エリセの超名作『エル・スール』のDVD久々の再発です!

(以下、飲み屋のぐだ話が長いので、ヴィクトル・エリセの話に飛びたい方は、こちらからどうぞ!)

最近、みんぽーに迎合して、どうにも質が下がった感が強いですが、本日たまたま30分ほど見続けたので感想を。

◎原油価格の話

原油価格が下がっているグラフを、最高値からの下落を強調するように提出して、「経済の先行き不安→投資先細り→価格下落」という説明するのって幾ら何でも・・・。その前から見たら、突然馬鹿みたいに値上がりしたのが、先のアメリカの証券会社倒産と連動したとしか見えないタイミングで、突然下がったので、

「なんだやっぱり先物取り引きが原因で、世界の需要増のために供給が逼迫していたって説明ってなんだったんだろうね。そういうこと言ってた人を特定していくとまた何か見えるかも・・・」

だろ〜、と。大体、先日までは売れなくなって、しょうがない・・・と嘆くガソリンスタンドを伝えていて、今度は、「先週買った高値の在庫が。。。」などと。そーゆーの瞬間的な嘆きを伝えてどーすんだと。安くなったら、全体受容増さないのだろうか?まで、勘案して言うならまだしも。あまりにあまりに・・・

この手のグラフの取り扱いの悪さは、ドイツまで行って経済学習ったはずの島津アナウンサーがかつてやってた週末23:00ごろのニュースバラエティ番組でもひどかったけど、、、*1

数字の話で少々飛躍すると、最近、一夜にして何兆円が、、、って説明が多いが、その直前まで一夜とは言わずとも7日7晩であぶく銭作っている話がさっぱり抜けている。稼いだときに溜めて、万が一に備えるというのは、古いメーカーの内部留保は勿論、大体昔からの商売人の知恵でせう、、、金貸しなんて、困ったとき貸さないんだから、、、って誰でも知ってるわけで、、、*2 *3

ついでに言うと、どう考えても、日本のバブルを参考に、「ここまでひどくやれば政府の補填が入って、全体はなんとかなろうし、自分は売り抜ければ良い」という出来レースにしか見えないんだけど、、、ま、邪推に過ぎませんが。

◎妊婦受け入れ拒否による死亡事故

病院側の説明が歯切れが悪く感じた。現場の云々を度外視して言えば、その後に報じた、内科医の重労働による自殺の事故も含めて、根幹は数年前に行われた構造改革・制度改革ってのが、誰のなんの意図だったの?ってところではないかと推察するが如何?そこつっこまないと無理じゃないかな、、、

金融から、派遣等々からなんでもそうだけど、昨今の一連の改革が結局特定のグループが、特定の自己利益を追求する為に、公益を僭称したってことに過ぎないのではないかしら、、、*4

あの手の世界的動向に対して、「どう見たって、期間限定で好きにやらせているようにしか見えないな〜」と5−6年前から語っていた畏友が居るのですが、一体どういう情報でそんなこと言っていたのか・・・

◎たろー

たろーさんが、選挙については、「最初から諸事勘案して決めるとしか言ってないでしょう」と言った映像の後、♀キャスターが皮肉に口元をゆがめて首かしげた。♀キャスターさんには、そんな雰囲気作りでなく、自分の言葉で、なぜいま選挙しなければいけないか、あの答えに首をかしげる理由を説明して欲しい。雰囲気作りは願い下げだ。そんなのいつぞや話題になったB層向けの演出方式と全然変わらないじゃない。反対するのは、全然かまわない。単に嫌いだでもかまわない。いずれにせよ、正々堂々とやるべきで、うすら笑いで、なにか主張した気になるのは薄汚くはなかろうか?彼らは、世の代弁者でもなければ、なにを演出しているわけでもない。たまたま、スピーカーを与えられた a foolに過ぎない。。。今時は、そのスピーカーがうるさいだけだと、窓を固く閉じているのだろうし、、、

ホテルのバーをはしごして夜な夜な・・・って、たろーさんがどこいって、幾ら使ったかは兎も角、高いホテルのバーでも一杯1,000(+10%サービスチャージ)で呑めるぞ。あーゆーところは、口をつけても減ったと思えないような超遅いスピードで飲まないとなんだな〜な場所でありますし。場末の居酒屋で会議すればいいのか?下から目線はそろそろ勘弁願いたい。上から目線とばかりいうけれど、下から目線の実害が大きいと思います。*5 *6

◎児童の事故

デリケートな問題なので、難しいのではあるけれど、事故時の詳細を学校に説明というのは、正直難しいのではと思った。そうなったら、クラスをビデオ撮影して、監視人でも置かないと、先生もやっとれんだろうと。

ここで一つ思い出話。まー関連性は弱いかもしれないですが。小学校時代、愚生の友人が木登り中に落ちて亡くなった。目立ちたがりやな子で、枝にのって、揺さぶって「これはできないだろう?」とした末の事故。通りがかりの大人に「それは危ないぞ」とも言われていた。私も直前に通りかかって、事故の話には大変驚いた。自分は当事者でなかったけれど、「あの日の遊びを断らなければ、なんとかできたのに・・・自分も見かけた時、危ないと感じたのに・・・」と随分考えたもの。こういったことは、同じクラスの男子がみなみな口にしていました。

それで、事故現場の駐車場の木が、取り払われたのだけど、幼少時からアニミストな自分は木を切ってしまうことには納得いかず。。。家で話した際の祖父の言葉が大変記憶に残る。「少なくともあの木の枝が細かったかどうかは、子供だって判る。木なんだから明白だよ。木を切ってしまえば、あのような事故が起きたという話もなくなる。事故は不幸だけれど、判らないものに自分でどこまで安全か考えて近づく、周りでそんなことが起きたから、注意するというのが通常だろう。蓋をすればいいってものじゃない。」と。祖父は父親がまだ許さなかった頃に、のこぎりだ、斧だ、鉈だ、火だなんだとさんざん使わせてくれた。「怪我をしても、大怪我にならないようによく考える。大怪我になるのは浅慮の証拠。」「刃筋の先に身を置かない。これだけ守れば刃物は大丈夫。」「疲れたら事故になるから、早めに休む。」「目をそらすな。事故は殆ど目をそらした不注意から」数少ない心得は、こんなものだったような。「慣れたと感じたときに、絶対事故になる。」「木から落ちるのは、地面が近くなってから」とか、他にもいろいろあったか・・・祖父は南方で石油を掘ってた技術者でした。そう言えば、すっかり忘れたけれど、普段から「あれは何の木と言って、枝が折れやすい」などと、一緒に歩けば、ぼそぼそ話してました。*7

公園の人口遊具の場合、構造上「そこで中のシリンダーが回転するなんて判るか?」ってところがあるから、安全性の配慮は判る。けれど、相手は木ですから、伐っていいってものでもあるまい。「子供が落ちた木」として、永代にわたって、しめ縄張るのが日本風だと思います。

なお、駐車場の管理者である市の責任が!なんて考えた人は、いなかったんじゃないか。学校の放課後の指導で、木登りはするなというお達しが出たけれど、われわれ子供は「それはおかしーだろ。木登り自体がなぜダメになるんだ〜」とも言って無視しました。ま、当時は明らかに責任があっても、あまり云々しない時代であったかも知れませんが。。。親御さんが、通夜の晩に、「わたしが自由に育てすぎたの!」と母に向かって、泣いていたのが思い出されます。子供心にも辛いんだな、と思ったものですが、勿論、そのご母堂の悲しみは他人が判るものではない。敢えて言えば、「判ろうとしてはいけないんだ」とも思います。この辺りの節度はなかなか難しいものですが。

上の事態で、子供が悩んでいたなんていうと、いまならスクール・カウンセラーの出番かもしれませんが、どうなんでしょう。ほんとに動揺している子、嘘泣き、雰囲気泣き、登校したら教室でみんなが泣くのに驚いてる子(←わたし&親しい♂)、めそめそするのを皮肉る子までさまざまで、数日もかからずその日で収束。*8

◎全般的に

ほんと単位時間の情報量が少ない!世界でなにが起きているかなんてさっぱりわからん!たらたら、情感込めたナレーション入れてるが、海外ニュースはさらっと読んどるぞ。ドラマ化やめれーーー

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ここからは、映画好きの方に超重要情報ですが、なんと!!!

ビクトル・エリセ DVD-BOXの商品写真ビクトル・エリセ DVD-BOXとして、『みつばちの囁き』は勿論、あの『エル・スール』も併せて、11月29日に再発売Amazonでは予約受付期間中で今現在割引率24%。

ヴィクトル・エリセはスペインの映画監督で、資金難なのでしょう、未だ長編数本しか撮っていない、にもかかわらず名監督。

上の二本、ご存知の方には、20世紀後半の大名画であることは疑いもないでしょう。

『みつばちの囁き』で画面の美しさ、音の密やかな艶かしさが大変評判となったエリセ。自分も見ていて、五感が先鋭化されるのを感じるほどでした。『エル・スール』はその方向を進めた上に、重層的なヒューマンドラマを作ります。

少女エストレリャの成長と父との関係が根幹ですが、どこにでもある幸せな家庭は少女の成長とともにちょっとした事件を抱えます。大戦中の恋人を忘れられない父親が居て、それに気づいてなじる母が居て、、、少女は父から自立をはじめれば、苦悩を娘に語れない父とはすれちがい。父親とその父親(少女の祖父)との間に、スペイン内乱のさまざまな価値観の争いもあって、、、

いずれにせよ、美しい景色、デリケートな演出、独特なテンポといいこんなに奇麗な一時間半を作るんだなという驚きの作品。演出は、俳優の身振りだけでなく、影の使い方といい、ちょっとした小物の音といい、すべて繊細に取り扱われ、一つ一つのシーンがそのまま写真にしても美しいものばかりで。。。

私にはジャック・ベッケルの作品

ジャック・ベッケル Blu-ray ツインパック 『現金に手を出すな』『穴』 の商品写真  ジャック・ベッケル Blu-ray ツインパック 『現金に手を出すな』『穴』
多くのヌーヴェル・ヴァーグ作家が敬愛する名匠、ジャック・ベッケル監督の傑作2作をツインパック。
販売元: IVC,Ltd.

と同じで、どこを褒めても褒め足りない傑作で、、、映画には割と単純な私ですが、涙腺がゆるんだ数少ない作品の一つ。

クリスマスも近づきましたので、大事な方へのプレゼントにぜひご一考を。映画好きな方は、勿論、スペインが好きな方、欧州の田舎の景色が好きな方には、宝物になると思います。エリセ作品が繊細ながらも、感傷的になっていないのは、なんといいますか優しいからこそ強いの一例とでも言うべきでしょうか・・・

では!

*1:web屋のネタ帳にその点指摘があったはず。アナウンサーが内容にどうのはないと思うんだけど、やっぱり、そういう経歴の人だと、あーゆー数字の取り扱いには表では言えなくとも敏感であったのかなぁぁぁ、そういったものいいは許されないのかなぁぁぁ

*2:だから、給料は決して安くないのに、旅行だ、服だ、温泉だと、全額使い切って生活している人が身の回りに居て不思議でしょうがない・・・←旅行や外食は贅沢だと思ってる頭の古いワタシ。

*3:よって今回のように投機で荒稼ぎした人間が平気のへーで、被害を受けている側の税金負担なんて事態なら、何時代かは兎も角、かつてならことは簡単で、打ち壊し&放火にあっていたんだろうと。いまはあまりに制度が行き届きすぎていて、比較的常識人の過激な行動によるフィードバックがなく、むしろ、悪人が守られやすい環境もあるのか、なんて思ったり・・・全然、詰めて考えてないですが、、、昔の中産階級が割と道徳的にうるさかったのは、結局、仕返しが怖いからで、それが悪いとも短絡的に言えず、一応、皆が納得する行動を考慮するフィードバックシステムになっていたのかな。。。などと思ったり。

*4:ほんとつくづくKOの経済学部お断りして良かった〜、と思ったり。先日、推奨した光晴さんの本などご参照を。ほとんどはコメ国の改革要望書ってやつだと思うのですが、、、

*5:考える素材を提供するのと、なにかに誘導するのは大違い。下から目線で、世間に迎合して、というのは、まったく非民主的では?私は本業でその節度は守りたいな・・・という姿勢、、、のつもりではいます。

*6:2016年某日注:いまから思うと、あのときの民主党の持ち上げ方もまた異常だったのは、マスコミの高年齢層に革新系が多かったからと思ってましたが違うかも知れませんね。自民主流派を子飼にするために、痛めつけて、野党に落としたんじゃあるまいか。一方で、民主党民主党で小沢・鳩山を追い出させて、内部分裂で壊す。ここまでプロットがあってやったんじゃないかしら。

*7:それこそ、食べ物で遊ぶなから、道路路や駅での諸注意、街の中での微妙な人間関係、ニュースの話から、サイクロトロンがなんぞや等々等々等々

*8:その皮肉にはさすがに頭に来て、「お前がその窓から落ちたら笑ってやるから、いますぐ落ちろよ。」と詰め寄った記憶が・・・