クラシックの話が続いたので、久しぶりにPop&Rockの話です。Amazon見ていたら、ジミ・ヘンドリクスの限定盤Boxが四種類発売中らしい。でも今年の8月末に出ていたんですね。
※日本への割り当ては300セットのみですので、ご注文はお早めに!!!
とのこと。「そういう言い方で煽るな〜」と思います。。。Amazon.co.jp内で300セットなのか、日本全体でなのかはよく判らないです。
ライブ音源とスタジオ・セッションの二種類の音源を二つずつ。それぞれ6枚組。ジミヘンはライブだからとテンポずらさないのがいいですよね!
ライブ音源
vol.1は1968年2月から11月まで、vol.2は69年4月から70年7月まで。
ロッキン・ザ USA Vol.1 Box set, Compilation, Limited Edition, Live
ジミ・ヘンドリクス
レーベル: ミュージック・シーン
ロッキン・ザ USA Vol.2 Compilation, Limited Edition, Live, Box set
ジミ・ヘンドリクス
レーベル: ミュージック・シーン
スタジオ・セッション
vol.1は1967年5月から68年11月まで、vol.2は1969年2月11日から11月14日までの音源を収録とのこと。
スタジオ・セッションズVol.1 Box set, Limited Edition
ジミ・ヘンドリクス
レーベル: ミュージック・シーン
スタジオ・セッションズVol.2 Box set, Limited Edition
ジミ・ヘンドリクス
レーベル: ミュージック・シーン
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ジミヘンのバンド編成も時々いろいろややこしいのですが、すっごい基本的には(大体)69年を境にそれ以前の白人メンバーとのメロディアスな流れから変わります。アフリカン・アメリカンのメンバーと組んでからは、リズムの刻むが鋭くなり、曲の骨格がしっかりすると言って良いのでしょうか?
有名なウッドストック・ライブは69年8月。ベースが同じ低いフレーズを禁欲的と言いたいほど頑に繰り返しながら、ちょこっと変奏させるのがすごく利いています。それ以前のメンバーとのジミヘンのアルバムにはないもの。「こんなベースならリードギターもやりやすかろ〜」と第三者にも思わせます。こういうのは野外BBQなどで大量のお酒で聞くとすごく良い!ジミ自身もそういったベースにしたかったのでメンバーを変えた、なんてどこかで語っています。
このベースがこの頃から参加し始めたビリー・コックス。二人は60年過ぎ頃に軍隊で知り合った中。彼がインタビューで、当時のライブについて「いや、横で見てたら、ジミが五つもエフェクター操っててすっかり聞き惚れてたよ、、、それでフィルモア・イースト(69年暮れというか70年というか・・・)の時なんて10何個だよ!こっちは、もう手を休めてね・・・」と懐かしげに語っていて、微笑ましいです。←引用は記憶頼りで不正確でごめんなさい。エフェクターの数が思い出せない、、、なんにせよ、倍くらい増えたのは確かです。
上の四種のセットもさまざまなメンバーでの録音があって、(大体)69年くらいの境に、誰がどーだと、どーなんだろーなんて、気にして聞くと結構いろいろ発見があるかも。
まーでも、この手のブートレグ混みの秘蔵ライブ音源やスタジオセッションというのは、音質もそうだし、うまく言ってないテイクもあります。
・・・ので、よほどジミヘンが好きというだけでなく、自分でギターもかなりやるから、どういうことにトライしている、どんな弾き方だとか、細かに読み取って自分の演奏に活かせる人でないと、そんなにあれかな。。。
だから、わたくし程度の聴いてるだけファンには特にいらないかな〜ってなもので、そもそもジミヘンだけでなくその他もろもろのバンドで『秘蔵音源』買った経験では二の足・・・以下略
これからジミヘンいろいろ聴いてみよっかな〜という方でしたら、基本的なアルバムは枚数も少ないですからいろいろ挙げちゃいましょう
1) 1967年8月リリースの一枚目
Are You Experienced? CD, Import
The Jimi Hendrix Experience
2) 1967年12月リリースの二枚目
Axis: Bold As Love-Remastered CD, Import
The Jimi Hendrix Experience
レーベル: Sony Legacy
3) 1968年10月リリースの三枚目
Electric Ladyland-Remastered CD, Import
The Jimi Hendrix Experience
レーベル: Sony
4) BBC放送用ライヴ&スタジオセッション音源で、ざっくり67〜68年のもの(だったはず)
BBC Sessions: Deluxe Edition CD, Import
The Jimi Hendrix Experience
レーベル: Sony
5) 69年8月のウッドストックライヴ
Jimi Hendrix Live at Woodstock, Import
Jimi Hendrix
レーベル: Sony
6) 幻の四枚目というか、68-70年くらいで寄せ集め(ちゃんと調べればよいのですが、すまんです)
Voodoo Soup
Jimi Hendrix
レーベル: Polydor
7)1969年越しライヴで、Band Of Gypsysとしてのもの
Band of Gypsys CD, Import
Band of Gypsys(Jimi Hendrix, Billy Cox, Buddy Miles)
レーベル: Sony Music
じゃーどれを買うかというと、あくまで一つの案ですが
●出費がかさむケース:全部
●ちょっとお安いケース:2)、3)、4)、5)、7)
●思いっきりはしょるケース:4)、5)、7)・・・でも、できれば2)も
となるかなと。偏見ありありな選択ですが、、、
ウッドストックは、二枚組の全曲盤にしました。もともと出ていた一枚編集ものの方がうまい具合に曲順変えて盛り上がり易いのですが、オリジナル大事と考えて。ただ、一枚目と二名目の境が「そこで切るなよ〜」という場所だったりします。
最後のバンド・オブ・ジプシーズは、元々でていた一枚ものにしました。二枚組フィルモア・イースト・ライヴがあって音はそちらがいいのですが、一枚ものの方が良いテイクを採用していると思います。
ジミヘンはライヴでも比較的曲のテンポを崩さないし、メンバー含めて演奏が上手いので、ライヴ音源もスタジオ録音に比して遜色がない。よって、要所要所のライヴを聴けば、取りあえず全体像は掴める・・・というのが、「思いっきりはしょるケース」の選択方法。一枚目の音質がなんか曇ってるというか、こもってるのでちょっと私は苦手で、、これはその後の再発売なりリマスターなりでよくなっているかも知れませんが、BBCセッションがいい音だしすごい内容ですので、こっちに結構1枚目の曲も入っているからいいかなと。
・・・ついでに、2)も一番好きなアルバムの一つ。サイケでちょっと神秘的な要素はこっから、と言って良いのかしら。めずらしく即興風の静かな曲も入っていて、それがじつにじつにじつに奇麗な曲!気に入ったらぜひ聴いてみてくださいませ。
この2枚目のAXIS: Bold As Loveから聞き始めると、大人し過ぎると思われかねないので、最初には薦めませんが、ジミヘン好きになったらぜひぜひぜひぜひどうぞ。
後、寄せ集めアルバムの6)がいま出てなくて中古だけなのもちょっと惜しいです・・・なにか他のものにはいっているのかなぁ。私が聴いたのは、変な順番でして、20年弱前はそんなに出ているアルバムは多くなかったのですけど、1)→2)→3)→6)でした。この四枚はほぼ同時に勝ったような気がします。
その後は、5)→7)→発売されたばかりの4)。「眠たい声でどこが面白いかな〜」となんか掴みあぐねていたところで、「いいっ!すごいいいっ!おれはアホだ〜なぜ気づかん!」となったきっかけは、6)に入っているNight Bird Flying。歌詞も神秘的で、進行が楽しい不思議に奇麗な変奏曲。「あっ、なんだこういう人なんだ」と勝手に合点が行って、2)、3)も好きになって、他のアルバムも買い進めたって感じでした。
いまから聞くと、Night Bird Flingの曲調は神秘的だけれど、歌詞は割と露骨に女性の歌だったんですねー。いずれにせよ、この6) Voodoo Soupが自分にとって、ジミヘンの入り口になったので、いまの扱いは惜しいです。高い値段で中古買うこともないだろうけど、うーーーん、ってところ。
そう言えば、6)のスリーブノートの写真にジミヘンが籠をもってオレンジかなにかをもいでいる写真があるのですが、あれもちょっと好きになった原因かも。なにか違う世界を歩いているといった異質の軽さを感じさせる写真でした。
WoodstockにはDVDも出てます。そちらもいいですよ。ほんと感心する演奏姿。
Jimi Hendrix Live at Woodstock [Blu-ray] [Import]
販売元: Sony Legacy
さすがにジミヘンですからいろいろお聞きの方も多いと思いますが、なにかのお役に立てば幸い。では!*1
p.s.:バックグラウンドに写真を入れた記事を書いてみたかった・・・