やはり日本の情報は閉じ気味なのかも、、、!?世界のAmazonでのクラシック音楽売れ行きランキングから考える

本日は本業出張所と化します!

本業ブログで作曲家の誕生日にちなんで世界各国のAmazonでのランキングを並べてみたりしています。表を作るのが面倒で泣く泣く12位までに絞って出していますが、実際は100位くらいまで眺めたり、各国のレビューなどを見ております。結構世界の国で違うんだな〜、こんなとこは何処でもいっしょなんだ!、、、この国はこういう定評なのか、、、と興味深いところ。

試みに代表的なものを並べると、

交響曲ランキング
交響曲」をキーワードに日・仏・独・米および米・カナダのCDランキング
ヨハネス・ブラームス(ドイツ 1833〜1897)
日・仏・独および英・米・カナダのCDランキング
クロード・ドビュッシー(仏 1862-1918)
日・仏・独および英・米・カナダのCDランキング
アントン・ブルックナー(オーストリア 1824-1896)
日・仏・独および英・米・カナダのCDランキング
 

それぞれの国でどの程度の数が売れているのか対数が判らないですし、統計期間も不明Amazonで買う人の傾向というものもやっぱり各国違うと思われます。感覚的には、何ヶ月単位ならそんなに変わってないな〜というもので、あまり厳密に云々するのも何ですが、こう並べるとなんか見えてくる感じがするのは事実でありましょう。

例えば、交響曲は世界中どこでもベートーヴェンがやっぱり強かったり、、、強いと言うのも変ですが。ドビュッシーは「ドイツ人聴く気あんのか!?」と思ったり。この二日で出したブルックナーでは、日本でネ申のクナッパーツブッシュとシューリヒトが余りでてこなかったり(クナッパーツブッシュブルックナーはフランス語圏では何故か人気がある様子?)、諸外国では宗教曲・合唱曲作家としてのブルックナーも結構重視されていたり。。。

仏独は趣味が違う様で、フルトヴェングラーならばフランスでもいまだ人気が根強かったり、イギリスがややフランスっぽいけど、ドイツ的なとこも会ったり、自国演奏家万歳も見えたりと読み方はいろいろできるもの。

此の国の傾向は好きだな〜という場合、その国のランキングで探すと良かったりするかも知れません。

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結局のところ、聴く方としては、「これは大好き!」と何度でも聴いてしまう・心の底から気に入った曲・演奏家に出会うのが重要で、何が一番!、あれはダメ!これだけ!なんて固執しないで、たまーに耳目を開いて、ちょっとはいろいろ楽しんでみるといった程度のゆる〜い姿勢がいいのかなと思います。

たくさんあって、全部聴く訳なんていかないですし、でもやっぱり「これ!」って思うものがあったりする、、、同じ曲のいろいろな録音を聴いていると、いろいろな曲を聴けなくなるし、いろいろな曲を聴きまくってみて、後からこんな良い演奏があったんだ!と思ったり、、、中々難しい物です。

私もランキングをきっかけに聴き直して、意外に気に入ってしまったり、、、その時々で、注目しているところが違うからいろいろいい加減なものだな〜と。これは私がいい加減なだけの可能性が高いですが!!

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それでやっぱりちょっと気になるのは、日本の傾向がちょっと独特といっても、少々閉じ気味なのではないかと思われること。いろいろな作曲家で出して見て、

●日本では全集で購入することが少ない。

●海外は同じ作曲家でもさまざまなジャンルの曲を聴く傾向がある。日本はこの人は交響曲、この人はピアノ曲と割と決まってしまっているような・・・

●日本で上位に上がる演奏家が、20年来、30年来同じという感じが・・・これはクラシック音楽は息が長いから割とそんなもんですが、それでもちょっとそんな気が・・・

上の三点は割合にあたっていそうな感じがします。ユニークなところならば自信を持っているべきと思いますが、これらは情報が閉じているのでは?と思わせるのが少しあれかな〜と!

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とゆーわけで・・・

●全集物を買ってみるといいかも!

これは海外の方の愛好家の方が、コスト・パフォーマンスに敏感ということもあるのでしょう。いまは有り難いことに、ちょっと昔の演奏家だと、誰それの交響曲全集、ピアノ・ソナタ全集、室内楽全集、はたまた、とある演奏家の録音全集などが、かなり格安のBoxセットで出ています。とは言え、それは輸入盤でのお話。ざっくり言って、1枚500円〜900円ほど。国内盤を単品でかうより冗談みたいに割安になります。

日本はやはり国内盤が売れる市場で、その国内盤では廉価版Boxセットは少ないというか、殆どないといっていい状態。

ここはやはり輸入盤で安く手に入れることがもっと検討されても良いかなと。実際、たくさん聴いている人は、そうそうに輸入盤にシフトしているのが常かと思います。解説を英語で読む他なくなりますが、今どきですから英語で!!

全集でない場合、ニックネームがついた所謂人気曲からということになって、これも情報を閉じやすくするものかと・・・そもそも、海外では《運命》や《月光》といったニックネームは記述すらないことも多いもの。作曲家が自ら付けた物でなければ、そういう扱いです。聴く時に先入観を持っていて、「なんか聴いたら感じ違うな〜」ということも多々あったりします。ニックネームがない曲にも最高のものがたくさんありますが、そういった曲との出会いが制限されるようで惜しい気が致します!

●いろんなジャンルの曲を聴くともっと楽しいかも!

一人の作曲家は、さまざまなジャンルの曲で良い曲を書いているものですから、交響曲ピアノ曲に限らず、いろいろ聴いてみると、いろいろ楽しい発見があると思います。アンサンブルの楽しさも、日本の住環境で交響曲を激しく鳴らすのは大変ですが、室内楽などその点も良さそうなのに、、、などと思ったり!

といって今から聴き始めた方など、ジャンルがなんだかいろいろあって訳が分からない!となるやも知れません。かつで、19世紀末頃にはこんなもんかな〜というところで一覧表を作ったので、いろいろ眺めて見ると見通しがつくかなと。YouTubeの映像を付けているので、どの楽器が参加しているのか・・・という編成も視覚的にわかりやすくしています。

クラシック音楽のジャンルがややこしい!〜 YouTube参考movieリンク付き一覧表です

http://look4wieck.com/w/?p=148

よろしければぜひご参考に!

●たまにはいつもと違ったものを聴くと楽しいかも!?

これは難しいです。闇雲にいろいろ聴いても、お金も時間も限度があるし、なかなか実に難しいです。

大好きな曲なら、時代の違う演奏家で聴いてみたり、国が異なる演奏家で聴いてみたり、そもそも情報源をいろいろ広げてみたり、そんなことしかないのかも知れません。

多分、大事なことは日頃から自分が評判に左右されずにほんとうに楽しんでいるか?ってことなのかも知れず、そうなると一番難しいことかも・・・

私だって、日頃の推薦盤を見ると応年の名人に偏っていて、やっぱり20年来、30年来変わらないもの。私の推薦は、あくまで「困っていらっしゃったら、これでどうでしょう?」という程度のもので、なるべく違う傾向のものも二三挙げるようにしています。←実際はなかなかうまくいきませんが、、、

「これは名演!」とonly oneと思っていたものが、そうでもないな〜と思ったり、全然違うスタイルの演奏がどちらも好みだったり、固執しないのがいいのでしょう、多分!

『オーケストラを聞く人へ』の商品写真日本の名指揮者近衛秀麿氏の著作オーケストラを聞く人へにあった面白い話ですが、欧州滞在時の女中さんが、別に普段クラシック音楽を聴いたことがないのに、一度モーツァルトのオペラ《魔笛》を実演で聴いたら心底感動して、「自分は身も心もまったく別の人間になった」とか、「いままでの唄(流行歌)なおとはぜんぜん別な世界を発見した」などと言っていたとのこと。

それでモーツァルトのどれそれの曲名だとか、伝記的な知識にはまったく感心を持たず、とは言えその後も演奏家に行くと、楽器のちょっとした音程の違いなどにも驚くほど敏感に反応したとのこと。

実は、良い物なら、素直にリラックスすれば、誰でも楽しめるものではないか?などと思います。

近衛氏は実演で聴く経験を積むのがやはり一番良いと言います。それも結構高いもので、忙しい現代には時間的制約もあって難しいかも知れませんが、、、この点、私も無理をしながら少なくとも毎月一度は実演を聴こうとしております。

『対話録「さすらい人」ブレンデル リストからモーツァルトへの道程』の商品写真自分が推薦の録音を挙げる時に、一昔前の録音を挙げるのは、ここ数十年複数マイクを使った録音があって、各楽器がバラバラに聞こえるというか、奥行きがないといいますが、なんだかおかしな感じがするものがあるからです。

それもいろいろ録音や編集のやり方で変わる物でしょうし、そちらの方面には門外漢。わたしの家のステレオだっていい加減な機械で、兎や角言える立場には到底ありません。

とは言え、ピアニストのブレンデルやその他の演奏家の発言で同じ感想を聴いて、「やっぱりそうなんだ」と虎の威を借りた思いがしたものです。←弱っ!!

いずれにせよ、なんだかんだとややこしいものですが、

  • 自分に素直に、評判に惑わされなずに!
  • たまーに耳目を開いて、ちょっとはいろいろ楽しんでみるとゆる〜い姿勢を保つ

をうまーく両立させていけば、それでいいのかな〜などと思ったり。

では〜!

・・・とお別れの前に!本業サイト&ブログも宜しくお願い致します!

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CVLTVRA ANIMI PHILOSOPHIA EST − おもにクラシック音楽な日乗:コンサートの感想やお薦めCD/DVD/書籍を気ままに書き綴ります

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ではまた!