せるげーの集めた怪奇談話集 2008年夏 第二夜

ちょっと間が空きましたが第二夜参ります。

ここまで暑いと怪談という雰囲気もないです、、、わたしの住む関東の某県県南も雨だ雷だ・・・

これでなんか化けて出て来ても、「うっとーーしいっ!」とただイライラしそうです。

今回の第二夜は、母の友人に当たる方のお母様のお話。

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そのお家は某藩主の直系ですから当然旧華族の方で、、、“母の友人に当たる方”にはお会いしたことはありますが、そのご母堂とは直接面識はありません。話に聞くと、件の夫人、さすがお嬢様育ちで相当呑気な逸話があります。

汽車に乗っての家族旅行中、「切符拝見」と車掌の出した右手の意味が分からず、ホームランを打って帰って来た選手さながら「ポンっ!」と手を打ってニコニコしていたそうです。

今はどこぞの高台にひっそりと住んで居られるようですが、誰も居ない(はずの)裏庭の格子塀を棒かなにかでカラカラカラっと鳴らす音がしたり。こんなことは、子供のいたずらだと思えば済む話ですが、今回はまともな話で。

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その家でごく普通のアパートを持っているのですが、何年も前のこと、まわりの家から苦情が来たそうです。

その内容がちょっと変わっていて、「夜、女の泣く声がして気味が悪い・・・」と。

管理人に調べて貰っても、夜な夜なめそめそする店子が居る様子はない。とは言え、苦情も複数から来ているので、思い違いでもなかろう。。。

そこで件の夫人が管理人と一緒に、アパートを探索することになりました。

「それで、どうだったの?」

「いや、それがちょっと前に出て行ったひとの部屋なんだけど、押し入れに骨壺があったって言うのよ」

「あまりに典型的な怪談ですなー。誰の?」

「その引っ越した家の人が結婚しているんだけど、なんだか実のお母さんの骨なのか、、、再婚する前の奥さんの骨だったかしら・・・お金無くてお墓は建てられないままになっていたのを、今の奥さんが『気持ち悪い』って言っていて、それで旦那さんが置いてったってことらしいの。」

「ほぉぉぉ」

荷物のご配送の為に転居先などは知っていたので、管理人が事情を聞いてきたそうな。

「それで○○さんは『そんなもの置いてかれたって困ります!』って。そりゃそーよねー」

これがその泣き声の主だったかどうかは兎も角、その後、女が泣いているという声は寄せられなくなったとのこと。

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あんまり、こわくないでしょ?

実情、そんなもんだろうと思うんですよね。