関さんの森の話をTVで見て

・・・とタイトルに書いてもなんじゃらほいだと思いますが、websiteがございます。

http://homepage3.nifty.com/matsudo/seki/seki.top.htm

この紹介をTVで先日やっておりました。

TVも「森を守ろう」の立場に立って情感に訴える作りをしますし、それぞれ言い分はあって詳細事情は愚生の頭にはよくつかめない。

ただまー、今現在一番有力な道路計画が、江戸時代からの門や倉まで潰して通すという段に至っては、「まっすぐひきゃーいいってもんじゃないだろう。車なんて迂回しろよ〜。」と思ってしまいました。そういう性分です。*1

寄付してやっと残した代々の家に広い道路通されるんじゃあ。。。古いもの潰すなと。。。*2

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7) の商品写真  ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)
E・M・フォースター著, 吉田 健一訳
河出書房新社

を読まれた方・お好きな方なら、そういう考えに親近感抱きやすいかしら。。。

&フクロウや狸がいるならそっとしておいてやったら、、、と云うのも、宮粼さんのトトロが圧倒的に受け入れられている世相を鑑みれば、多大な支持は間違いないと思うのですが、、、。実際、都内からそんなに離れていないところでも林の共有保存運動などやってるようですね。所沢などTVで取り上げられて有名ですが、うちから4-5キロのところでもそんなことやっていて驚きました。*3

都心じゃないんだし。

都心ではないところのライフスタイルが根本問題なんですかしら、、、

*****

時間とか金銭尺度で測れないことを言うと、頭悪そーとか、ナイーヴだと思われがちだったりするものですが、そういう尺度で測れないものがあって、それを大事にしたいだけなんだな、これが。

根本問題というと、こっちの話もあるかも・・・割り切ってどんどん進めると、頭が良くて、現実的なのかしら、ほんとに、、、

*1:私の町で、昔町政・市制に関わって居た方の言葉ですが、「役人は定規でまっすぐにひっぱることしか知らん。町の成り立ちはそういうものじゃないということは、そこに住んで歩いたものでなければ判らないよ。」と。最近やっとそういうことも見直されているようですが、見直されるまでの数十年って何だったのかしら???

*2:それこそ古いものがあるなんて癪だ!なんて考えで、わざと潰そうってんじゃないんかしら

*3:2016年注:宮崎駿ファンでジブリ作品はすべてご覧になっているという方はほんとにいらっしゃいます。繰り返し何度も見ていて、鑑賞眼も鋭いのに、ジブリ作品+映画ナウシカに限られる、という方も多くて、それはそれでちょっと勿体ない気が致します。それらの他にも名作が多いのでぜひどうぞ。
作者自身のインタビューの傑作。インタビュアーの渋谷陽一の爺さん転がしっぷりが癖があるけれど、作家の無意識を引き出していろいろ言わせているのはすごいです。

風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡 (文春ジブリ文庫) の商品写真  風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡 (文春ジブリ文庫)
宮崎駿ロングインタビュー集第一弾
出版社: 文藝春秋

ハイジとコナンもぜひぜひ。エンタメ技法をコナンで極めたからこそ、漫画ナウシカ後半の思索や千と千尋以降の無意識の解放など別の道を切り開いて行く・・・。

未来少年コナン Blu-rayボックス の商品写真  未来少年コナン Blu-rayボックス
監督: 宮崎駿 出演: 小原乃梨子, 信沢三恵子, 青木和代ほか
バンダイビジュアル

かつてとった杵柄を相も変わらず「また見せて」と要求されるのは常に成長を望むクリエイターには悩みの種なのでしょう。YouTubeにあります2010年バークレイ大学?のなんだかの賞を貰っての公開インタビュー、これ長いけれど大変興味深いです。自分はいわゆるエンターテイメント作品は作りたくない、と明言しています。

戦車好き全開・・・という言い方はよくない。戦車から見た文明批評および「人間とはいかにあるべきか」。

泥まみれの虎―宮崎駿の妄想ノート 大型本 の商品写真  泥まみれの虎―宮崎駿の妄想ノート 大型本
著作: 宮崎駿
出版社: 大日本絵画

ナウシカの漫画は、あの後半5-7巻の展開は、わけがわからないだとか、ありきたりの善悪黒白一体の哲学にしかみえないのが普通でしょう。私も2010年くらいまでさっぱりわかりませんでした。なんで人間ドラマを陳腐な哲学にしたのだ、なんて感想でした。いまはまったく真逆で、あれがあるからこそ傑作と本心から思います。

ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」 (アニメージュ・コミックス・ワイド版) の商品写真  ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」 (アニメージュ・コミックス・ワイド版)
著作: 宮崎駿
出版社: 徳間書店

これが陳腐な哲学でなく価値あるものとわかってくるのは、東洋思想方面の探求をするほかないんじゃないか

弓と禅 の商品写真  弓と禅
著作: オイゲン・ヘリゲル
出版社:福村出版

不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7) の商品写真  不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7)
著作: 沢庵 宗彭
出版社: 徳間書店

いわゆるエコ思想でナウシカを語るのではまだいまひとつだと思います。自分の無意識の探求、文明・文化の与える言葉や記号という枠からの自由という問題、そもそも意識がなにを捉えるかといった問題。これらなんやかやがナウシカの後半には詰まっていますが、東洋哲学というのは、そこらを一緒くたにある状態に持ってこうという・・・実は運動で、そもそも坐禅しかりで体の訓練と思索を合わせてなすものなのでしょう。ナウシカ後半の宮粼さんは、この辺りを自分の力で考えてあの作品に盛り込んだのがすごいと思います。