20161119注:久しぶりに見返して、前回の第十二回とこの第十三回はかなり改訂しております。
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いつもどーり、前回 http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20080619/1213844818 のポイントですが、
英文は頭から順に読むのです!
目指しているのは、逐一翻訳せずに、英文を英語で理解する状態です!
一語一語積み重なって変化する意味を、ありありと五感をもって感じ取りましょう。
子ども向け絵本から読み直すくらいでいきましょう!
ということでした。
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では本日は実際に読んでみたらというおすすめを挙げてまいります。
昨日、こんなことを書きました。
一年間100冊の絵本を繰り返し読む・・・そこまで遠回りでもないでしょう。絵本を二十冊、もうちょっと上の子ども向けを20冊、小学校高学年くらいの本・・・セリフの長い漫画、例えばスヌーピーなどもいいでしょうね。ほかの米国マンガでも、日本の漫画の翻訳でもそういうものを20冊・・・くらいやると、簡単なTVドラマなどももっと判るようになって、TEDくらいのプレゼンも簡単なものならちょろくなってと、いよいよ大人向けに背伸びできてくるのではないかな・・・
気軽にいいましたが、絵本も一冊二冊なんてすぐ読んじゃうし、一冊は安くても大量に買うとお高いですよね・・・。
Maisy's Bedtime
著&イラスト: Lucy Cousins
出版社: Candlewick
【対訳】ピーターラビットシリーズ 5巻セット
著者: ビアトリクス・ポター
出版社: ゴマブックス株式会社
そういうときはネットで検索です!思いつきで、「illustrated story book for kids」とぐぐって見ましたら、
https://www.google.co.jp/search?q=illustrated+story+book+for+kidsご覧の通り、いろいろ出てきます。こういうものを片っ端から見て行ったらいかがでしょう?どのサイトも toddler(よちよち歩きの幼児)向け, young children, older childrenのように誰向けか分別していますから探すのも簡単。試しに幾つか検索結果からサイトを拾ってみましょう。
http://www.magickeys.com/books/
Young Childrenのところに、幼児向け絵本と小学校低学年向けくらいの物語が混在してますね。音声付きのものもありますね。
https://freekidsbooks.org/
Toddlersが幼児向け絵本、Childrenはその次の段階の小学校低学年くらいかな・・・。フィクションだけでなく、自然や科学ものもあってなかなか役に立ちます。
http://bygosh.com/
ここは幼児向け絵本はないですが、子ども向けかなり充実しています。Illustrated Classics for Younger Kids/childrenが小学校低学年向けくらい。イソップ物語や、白雪姫など知ってる話なので、これなら対訳なしでも読めますね。Classics for Older Kidsは、早くとも10歳以上というところか。赤毛のアンやトム・ソーヤの冒険なので、日本語訳は持ってないとちょっと厳しいでしょう。*1 このサイトは古典のフィクションや詩など文芸もののみですね。
かなり充実しているので、幼児用絵本・小さな子ども用読本など買う必要があるのでしょうか・・・。お子さんのためにも揃えていいと思うしても、気長に慎重に選んだ方が良いような。自分の勉強には上のサイトなどで十分と思いますが如何。
赤毛のアン や トム・ソーヤーの冒険に挑めるレベルになら、別に古典に限らずともなんでもいいですよね。例えば、ハインラインの有名なSFに行っても良し
The Door into Summer (S.F. Masterworks)
著: Robert A. Heinlein
出版社: 新潮社
ついつい探すとフィクションになりがちですが、ネットの素材なら他のジャンルもいろいろあります。
https://www.google.co.jp/search?q=science+for+kids
https://www.google.co.jp/search?q=history+for+kids
https://www.google.co.jp/search?q=geometry+for+kids
あれこれ探してみてくださいませ。
こんなことしていると、語彙も相当増えそうですね。
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そうそう、白雪姫やなんやの小学校低学年向け「読みもの」から、上に出した赤毛のアン、トム・ソーヤ、夏への扉などのいわゆる「小説」レベルに移るのは、ちょっとハードルが高い・・・と思いませんか?
日本語読書でもそうではなかったでしょうか?日本語でも読書する子かしない子か別れるのが、このギャップだったように思います。
このギャップをどう埋めるか・・・いろいろ考えたのですが、語彙が豊富で、少しセリフまわしが長かったりややこしいマンガやドラマがいいと思うのですがいかがしょう?
マンガやドラマなら、字だけの小説よりは想像・類推が働きます。結構こみいって長い文章もあるけれど、会話文なので難しいと言っても限度がある。ドラマも英語のscriptが見られるならば、ちゃんと読みものになります。以前にご紹介したもので選んでみますと、
A peanuts book featuring Snoopy (1)
著者: チャールズ M.シュルツ 吹き出しのコマにはオリジナル通りの英語。欄外に谷川 俊太郎による日本語対訳を記載。
出版社: 角川書店
The Walking Dead Book One
作者:Robert Kirkman
出版社: Image Comics
ダーマ&グレッグ シーズン1 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
メディア: 6 DVDs
シャーロック・ホームズの冒険 全巻ブルーレイBOX [Blu-ray]
ノーカットの英国オリジナル版をHD収録
12 DVDs
全41話収録+特典映像
日本のマンガは絵で伝えるのが上手く、セリフも短めですから、英訳版買ってもいまひとつかも。まぁいろいろ探してみて下さいませ!アニメが好きならその英語吹き替えを字幕だとか。
外国のホームドラマは、大概セリフが多いので、この点も勉強素材に使いやすいです。
これにも慣れたらTVドキュメントやインタビュー番組、インタビュー本などが丁度よい難しさかな。
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すっかり長くなりました。一気に読まずとも一息入れてどうぞ〜
以下はあれこれ思うことを散発的に
●良い日本語と良い英語を両立させる!
翻訳は元の文と同じくらいにきちんとして、同じくらいに美しく、同じくらいに読みやすい日本語を成す作業。だからと言って、「そこまでの能力は自分には要らないから、、、」などと申されるな!!
英文を読まれる時に、これらの書籍で得た心がけが役立つこと請け合いです。辞書を引いて言葉を選ぶということさえ、実は難しい問題と知れます。英文が判らないと、辞書を引いて、どの言葉にして良いかも本当はわからない・・・
別宮貞徳氏による下の三冊では、さまざまな文章を元に、ありがちな直訳、こなれた日本語訳がさまざまにならんで議論されています。翻訳がちゃんとできるというのは、その文章の雰囲気まで判っていること。勿論、日本語運用の巧みさはあるわけですが、これらを読み、自分で訳しながらすすめれば、英語を楽しんで読むに至る為の態度というか心構えというか、そんなものが手に入ると思います。*2
できればこれが最初ですが、中古しかないです。翻訳と批評 講談社学術文庫 (673)
著: 別宮 貞徳
出版社: 講談社
さらば学校英語 実践翻訳の技術 (ちくま学芸文庫)
著者: 別宮貞徳
出版社: 筑摩書房
達人に挑戦 実況翻訳教室 (ちくま学芸文庫)
著者: 別宮貞徳
出版社: 筑摩書房
ほんとにぜひ読まれたし!というものです。
心得を胸に叩き込んで、どんどん読み進めましょう。
●手頃に読めそうな大人向けの本
児童文学よりはもう少し大人向けだけれど、一般的な小説より簡単なもの・・・とお探しの方に、ほんのわずかな例を挙げてみましょうか・・・
狙い目は、対談ものや講演ものです。日本訳が出ているものがいいですね。
美しい日本の私 (講談社現代新書)
著: 川端康成 訳: E.G.サイデンステッカー
出版社: 講談社
川端康成のノーベル賞受賞公演とサイデンステッカーによるその英訳。「わびさびJapanを英語にするとそーなるんだ、、、」とちょっと面白いです。講演内容が好きか嫌いかは兎も角、いかにも日本語らしい表現をうまく処理していて、「それを主語にするのか!」などと感心したり、疑問に思ったり。74頁と短いので取っ付きやすい。短過ぎるけれど、一冊読んだ!という実績作りは大事な一歩です。
Conversations With Henry Miller (Literary Conversations Series)
著: Henry Miller
出版社: Univ Pr of Mississippi
『北回帰線』のヘンリー・ミラーの対談本。ややこしい事情や思想も、ざっくばらんにラフな言葉で話すのでとっつきやすい。対談本・インタビュー本を探すときは、conversation with + 当該人物の名前 で検索すると見つけやすいですよ。
自分の好きな作家、映画監督、スポーツ選手などなら、内容も想像しやすいし、興味もあるので楽しめやすい。
理科系で上質の一般教養でお探しの場合、これまたいろいろありますが、邦訳ありでいきますと・・・
まずは日常生活の常識なり、俗説を科学の立場から、考えてみました〜という手頃なエッセイ。一般教養として良い感じのものです。著者はあのファインマンさん。
The Meaning of It All: Thoughts of a Citizen-Scientist
著: Richard P. Feynman
出版社: Basic Books
専門用語があまりでてこないけれど、高度な内容を扱う教養書というとなかなかないものですけれど、これは良い一冊。こういうものを読んでおくと、ちょっとややこしい話をするときに知らず役にたっているものです。
あまり挙げても切りがないですし、ここまでくれば後は各人の趣味思考で、本に限らずネット上でもどんどん探していただくけることでしょう!
本日のポイントは・・・前回と重複もありますが、
絵本レベルから読んでみましょう!読み飛ばさずに、一語一語生々しく想像して入りこんで!
絵本も児童文学もネットにありますよ。ネット上の素材を活用しましょう。
別宮貞徳さんの本はぜひお読みください。英語で読みたい、読まなければ!と鼓舞されます。
では〜
次回は、やっとこラストですね、sergejOが贈る 大人から始める英語講座 第十四回 具体論6 TOEICの試験教材補遺&お勉強の計画。TOEIC模試的教材をさらっと紹介した後に、これまでの十三回で紹介した教材をどのくらいのペースでやると、どの程度の期間で終えられるかの計画を立ててみます。まとめも兼ねた内容です。
http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20080623/1214149038
どのくらいのペースでいつ終わるか、最初に目星を立てておけば、なにかと焦らずに済みますよ。では!
*1:傍らに翻訳があっても最初は大変でしょう。でも、子どものとき日本語で最初にこのレベルの本を読んだときも大変だったと思います。経験を重ねれば簡単になるので、めげずにやってみましょう。一冊読んでしまえば、うんと楽になりますよ。 赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫) トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)
著: ルーシー・モード・モンゴメリ 訳: 村岡花子
出版社: 新潮社
著: マーク・トウェイン 訳: 柴田元幸
出版社: 新潮社
*2:このエントリーの為に、ばーーーっと読み返しましたが、わたしがえらそうにこんな講座を開いているのが恥ずかしい・・・