英語落ちこぼれ→取りあえずTOEIC935点のsergejOが贈る 大人から始める英語講座 第九回 閑話休題 会話ってそんなに大事?


まずは前回 第八回(http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20080615/1213516542)の復習です。

文法はルールブックです。丸暗記は辛いです。最初にさらっとやったら、実践の“読む・聴く”を通じて、自然に体得しましょう!
そして、“読む・聴く”の最中に判らない文法事項が出てきたら、その都度、文法書を振り返りましょう。

ちょっとゆく年、くる年してみますと、

  1. 発音
  2. 単語&熟語
  3. 文法
  4. 閑話休題:会話ってそんなに大事?
  5. 聞く(音声&映像。スクリプト付き)
  6. 読む
  7. TOEICの試験用教材
  8. 計画表を作ってみましょう
  9. 補遺 ← 多分必要。


いつの間にやら第九回ですが、今現在赤くしたところに至って居ります。

本日の会話ってそんなに大事?は、“聞く&読む”の重要性を理解していただく為のもの+αです。なので、閑話休題。実は本当の大事なはなしです。

*****

最近、TVやラジオの英語番組が会話術の方にふっていますが、それ習ってなんなの?と少々危惧します。

あれは、会話コミュニケーションに引っ込み思案だった此れまでの邦国の傾向への反動でしょう。異人さん慣れを促すのは良いことと思いますが、ちょっとした言い回しばかりに時間割くのはどうでしょう?

ある番組では、英語会話の言い回しを習って、ゲストの方が英語でインタビューにチャレンジ!ですが、奇しくもそこに現れているのは、

  • 質問の突っ込みが足りないから詰まらない
  • 冷静に見れば、日本人としてもいかがなものかという態度

と思います。

●質問の突っ込みが足りないから詰まらない

それは日頃の日本語コミュニケーションから正すべき問題ではないでしょうか?自分のことは棚に上げていいますが、私はそう思います。

「旅行って何処行った?」

「イタリア!」

「へー、どうだったの」

「奇麗だった!」

「それでイタリアのどこに?」

「ローマ」

「・・・ローマの休日見たから?」

「それーー!!なんでわかったのーー!?」

といった会話や携帯コミュニケーションしていたら、そりゃ英語でぺらぺら話せません。それは日本語でもぺらぺらでなく、、、ぺらくらい?。ぺらぺらというからには二語以上必要でしょう(かなり戯画化していますが、、、女性の読者は♂verに脳内変換お願いします。「ちょーすげー」「つえぇぇ」みたいな。)。

英語ができないんじゃなくて、日本語のコミュニケーションそのまんまだろう・・・ということがしばしばあります。

足りないのは、背景知識、物事・相手への興味、想像力・妄想力云々でありまして、それは英語とは関係ないものではないか?

英会話のちょっとした言い回しを習うのも、ちょっとやってもいいでしょうけど、単語・熟語、文法の基礎に立った“聞く&読む”を主流に地味にやらずにどうするのか?

公式にどこかの会議やなんやらで発表というなら別でしょうけれど、個人的にちょっと食事で話す程度なら、伝えたいって積極性や語り手の知見が大事です。自分だって、一生懸命日本語話す外国人の話なら聞くでしょう?

伝えようと積極的な姿勢やユニークな知見って、自分がのめりこんでいたり、くわしいネタじゃないと出て来ないと思います。公式な会議やら何やらでも、話者がよい情報を持っていれば、聞きますよ。その分野でちょっと一目置かれている方なら、羨望のまなざし間違いなしでしょう。*1

知識や経験があれば、喜んで聞いてくれる相手が増えるだけでなく、自分が相手の話を興味深く聞くことも増えるでしょう。自分にさまざま知識や経験があれば、相手の情報の評価や理解度は変わりますから。

英会話もとうぜん人間同士のコミュニケーションですから、日本語でいろいろなことを知っていて、一応なんか言えるようになっておけば、その引き出しの多さが役に立ちます。

●冷静に見れば、日本人としてもいかがなものかという態度

そろそろ、取り繕う為の、へらへら笑い、がはがは笑い、妙にうわっついた声などおさらばしたいですし、もうちょっと複雑なところでは、妙にかたくなになったり、迎合したりもそろそろどうかなと。

これも自分を棚上げにして言ってます。自分もどこまで良い態度かわかりゃしません。でも、各人がその点を心がければ自然もうちょっとよくなりそうな、、、

TVタレントや漫画の大袈裟な表情作りなどが、ごく普通の市井のひとびとの表情や身振りになにか影響しているような気が致します。

海外の方が露骨に階級社会なので*2、ある程度の人は、ある程度の振る舞いを要求されますから、普通に節度をもって振る舞った方が良ろしいかと。。。

特別な儀式にでるわけでもなければ、日本人として正しい作法でまず問題などないでしょう。相手が鈍感だったり、よほど他文化を蔑視する人でなければ、「この人はまともだな」は分かります。多少の摩擦もまず理解してくれましょう。

洋物映画の日本人のステレオタイプのあれ - ぺこぺこお辞儀やうすら笑い - は、日本人でもみっともないものです。

私は夏場の手が汗かきで、握手するに気が引けるので、外国の方相手にも出来る限り悠長にお辞儀していますが、しまいには先方がお辞儀を返すようになって面白かったです。

逆の立場に置いてみて、日本語を使う外人が焦りをゴマカシつつ、へらへら、がはがはしていたら、「落ち着けよ」と思うでしょう?でも、多少たどたどしくても、真剣に話をしているなら聞いてあげます。それで大丈夫。

外人だからとかたくなになったり、迎合したりも、、、そんなに必要ない。相手には良い人も、悪い人も、普通の人もいるので、その場その場の判断です。*3

*****

という次第で、微妙に的外れになってしまったかも知れませんが、英会話番組以外にやるべきことはたくさんあるなと。

最後に!ちょっと古い考えやも知れませんが、洋食の作法はちょっと覚えておくといいです。日本国内の話でも、若いカップルが音を立てまいとしゃっちょこばっているのは不憫の限り。磁器の皿に鉄の道具をあてるのだから、音は出ます。派手に音を立てないよう気をつけるだけのこと。

ヴィスコンティの映画でも多少音出てますね。

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ルキノ・ヴィスコンティ監督 バート・ランカスター, クラウディオ・カルディナーレ, アラン・ドロンほか
販売元: KADOKAWA / 角川書店 日本語字幕

自分が幼少時に与えられた本で、シャレた挿絵で、大人が読んでも面白いものがありますので、自信がない時にはぜひご一読を。

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文: W.ホービング イラスト: J.ユーラ
出版社: 鹿島出版会

こっちの国の風習は知らないだろうと判って居ても、当たり前と思っている動作を破られるとちょっとびっくりさせますので。これは自宅に外人招いた時に、座布団踏んだり、渡り箸、迷い箸、涙箸、ふすまをバタンと閉めたらちょっと「おいおい」と感じるようなものでしょう。

食事や相手の家に招かれた時の最低限のマナーくらいは前もって勉強しておいてもよいでしょう*4

*****

日本って異文化に慣れてなくて閉鎖的だ、、、と言われがちでしょうけれど、全体を見渡すと特別閉鎖的ということもないと思います。まーそんなの世界のどこと比べるかですが。*5

個別にはいろいろあるのですが、本当にそうか常に個別に確認要です。妙に恥じるのはそろそろやめても良い頃かなと。

つい先日も、50%日本・50%イギリスの友人と話をしてましたが、彼が暮らしたイギリスやアメリカなんて地域でかなり文化度合いが違うから、えらいこっちゃと。最近数年過ごしたアメリカの田舎のどこぞなんか、見た目が非アジア系な彼にも「かなり怖かった、、、」といろいろ話してくれました。これがけっこーひどい話で、「野蛮だな〜」なことばかり。

ついでに言ってしまうと、“日本は国際的じゃない・国際的スタンダードに従うべき”論をやすやすと展開している議論は、よくよく考えた方がいいと思います。取りあえず主張しておく人たちですから、実際に主要数カ国の事情を調べれば、その主張の怪しさはすぐわかることが多いです。

嘆かわしいことに、その手口で外人のために働くような日本人も増えているように思います。調べて反論する努力が必須です。友人の間柄でもなければ、主張は常に主張者に得なことしか言ってないものです。

外の事情に広く耳目を開くのは重要です。しかし、判断するのは自分自身の経験と知恵で自分と自分のコミュニティーの損得をきちっと考慮してやるべきです。

この点、相手も強者で、「あなた方の得はこうですよ〜」ってちゃんと甘言を用意してます。しかし、宣伝文句を鵜呑みにする友人みたら、「バカだな〜」とおもうでしょ?ダイエットのなんぞややってる〜、ってその前に食っちゃ寝の習慣直せ〜とか。

薬の効能書きは古来、落語のネタです。巧言令色鮮矣仁です。*6

*****

結局長くなってしまいましたが、私の大好きな異文化コミュニケーションの本を二冊!今日の話の重大な補足。今日の話をすっかり忘れて、この二冊を読んでよく考える方が、よっぽど良いことと思います。

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著者: 小平邦彦
出版社: 岩波書店

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著者: 小平邦彦
出版社: 岩波書店

わたしがこんな英語勉強法講座を書いているのは、あくまで日本の方々が、情報源と経験を増して、独立した個人としても、皆さまお住まいのそれぞれの郷土人そして日本人としても、人倫に背かず、サイフの紐は固く、立派に活動する為でございます。*7

では!



次回の sergejOの大人にも中高生にも役立つ英語学習業者のステマじゃない英語講座は、第十回 具体論4 聞く、リスニングについてです。

http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20080617/1213650598

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*1:100%相手に話を聞かせられる方法が一つあります。あなたしか持っていない、相手が飛びつく情報を持つことです。

*2:日本はそれがないというより、見えにくいだけでしょうけれど

*3:政治的にはともかく、ごく一般的な個人的交流ならそうでしょう。

*4:自分が家に外国の方を招く際には、「靴下は穴が開いてないものを!ボクは構わないけど、多分、自分がはずかしーぞ!」と前もって言っておいたり。日本の家では履物を脱ぐとはわかってはいても、靴下に穴があるとバレル・・・とまで想像できないものです。

*5:いつでも笑顔で歓迎ってのも違うと思うんですよね。誰でも営業マンのように振る舞うのも気持ち悪い・・・

*6:いまは公共精神がないがしろで、個人の利得ばかり。ある程度社会が広くつながって複雑化すると、誰にとっても全体が見えにくくなる。そこで全体は考慮せずにある程度の勢力を作って冨を奪おうなんてしますけど、それは全体をくいものにするだけなんですね・・・。文化が進んでしまうと、全体を見ない小人が増えると思います。文化制度が整うと、その手のモノ思考の小人だって生き残りやすいし、それなりの智慧をつけてしまいますから・・・

*7:いま我が国もひさびさに本格的な国際化の中に入ったのではないかと思います。それでわらわらと内通者が出ている状況かなと。ユニークな文化圏として生き残れるのか、実は大事な局面にいるやもとなんとなく思います。判った顔して、見捨てる者も出ることでしょう。そういう連中が多かった文化は生き残れなかったのでは?