英語落ちこぼれ→取りあえずTOEIC935点のsergejOが贈る 大人から始める英語講座 第六回 具体論2 単語と熟語

さて具体論のその2 単語と熟語です。

前回(http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20080606/1212746353)で終えた発音の次に何故これを持ってくるかというのもちゃんと理由があるのです。

英語がわからない、読めない、聴けない、話せないなんて言う人の大概が、殆どは

 知っている単語と熟語の数が少ないことが原因

です。って、言い切ってしまいましたが、なのではないかと思います!!

英語を読む姿を思い出してください。

皆さんが、机の前に向かって、本なりPCなりスマホなりで英語を読んでいる姿です。

判らない判らないなんて思いながら、結局、辞書を引き引きで解決してませんか?要は単語や熟語じゃありませんか?ネットで英文を見ていても、マウスオーバー辞書機能onにしているとそれなりに楽だったりしませんか?*1

そして、読むのが辛いのって、その辞書を引く作業のめんどくささではないですか?

聞くときだって、そりゃ知らない単語なんて聞き取れません。

 だって、知らないんですから!

文章理解も、これが動詞かなんなのかと混乱したら、区切れもわからずしっちゃかめっちゃかに感じることでしょう。

話すときだって、自分の姿を思い出せば、構文がどーこー言う前に、単純に「あの言葉がわからない」ってことが多くありませんか?

単語や熟語が判ると結構判るものなのです。

 わたし 思う それ ダメ その本 大きい 重い

もうちょっと複雑にしてみましょうか

 金儲け ハイリスク ハイリターン 言う 自由市場 言う いま ダメなる 市場介入 頼む ダブルスタンダード  

って言われても意味が通じますでしょう?

 だから 単語 熟語 わかる わたし 大事 思う

*****

辞書を引く作業って面倒です。近年はネットの辞書、HDD搭載辞書、電子辞書等々で、片手で数語入れてポン!で出て来ますけど、本の辞書だと一端手前の本をしおりを挿んで閉じて、辞書を開いて閉じて、、、

文章を聞いたり読み進めるのは音楽に似たところがあって、リズムなりテンポなりが思うよりも大事です。

日本語の本で同じことをやってみればいいのです。たとえ電子辞書で片手でポンでも、逐一辞書を引いていたら、リズムが崩れてつまらなくなってきませんか?中断すると前後の流れも忘れてしまいます。

明治文学など、とくに旧仮名遣いなどが苦手な人なら、思い出して下さい。結局、ぽつぽつと知らない言葉が出て来て、よくわからないのが苦手な原因ではありませんか?*2

*****

なので!単語&熟語を最初にたっぷり身につけましょう!

文法書を読むにも、なにかの記事を読むにも、単語調べなくて良いと理解も早いです。やれば判ります。いちいち単語を調べて中断されることが増えると、なんかのれません。

いっぺん単語帳で見たことがあれば、馴染みもあります。辞書を引く時間が減れば、読むスピードも上がる。情報吸収の効率も上がります。

勿論、完璧に覚えたつもりでも、3割くらい忘れてしまうでしょう。でもそれでいいではありませんか! 単語・熟語の語彙増強は永遠の課題です。いわゆる勉強方式の暗記は、さっさとある程度終えて、後は普通に読む・聞くをする中で、自然に復習・自然に新規登録していきましょう。

・・・じゃないと切りないし、暗記の勉強ってつまんないし。。。

いずれにせよ、単語・熟語に関しては、もう覚えるしかないです。覚えるってことは、何度も色んな方法で出会って、できれば五感をフルに使って想像して、印象を確かにするってことですよね。まー、続けて・繰り返して・広げてといった当たり前しかないのです。

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というわけで、教材の紹介です。これが一長一短で、しかも種類はやたらとあって、日々新しいものが登場します、、、

数が多ければ多いだけ良いと思ってしまいがちですが、私が試したり、検討した範囲だと、一万語レベルなんてなると載っている言葉がどうですかね・・・。単語が増えれば増えるほど、どういったジャンルの言葉か偏りが出てきてなにか使いにくくなるという印象です。*3

今やどの単語本・熟語本にもCDは付属です。価格差も大してない。TOEICTOEFLかはそんなに気にしなくておっけーです。

私自身は下の超有名なTOEFL用の教材だけ使っていました。
TOEIC用の単語集は妙にビジネスに傾いています。TOEIC試験だけのための英語ではないので、日頃の情報摂取も考慮してTOEFL用にしました。

一つ注意は、この手の単語本・熟語本に載っている日本語訳が時にいまいちなこと。Amazon.co.jpのレビューを見ても、そういう指摘が結構つけられています。どの本もそんな欠点があると考えて、自分で余白に適宜訂正すればいいと思います。*4

いつも通り、前置きが長くなってますが、ではでは教材は・・・まずは私がやったものですが、TOEFL分野ではロングセラーで実績も十二分にありますね、

【CD3枚付】TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略) の商品写真  【CD3枚付】TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略)
著者: 神部孝
出版社: 旺文社

【CD2枚付】TOEFLテスト英熟語700 4訂版 (TOEFL(R)大戦略) の商品写真  【CD2枚付】TOEFLテスト英熟語700 4訂版 (TOEFL(R)大戦略)
著者: 神部孝
出版社: 旺文社

英単語のレベル1には例文もないのですが、別に気にせず・・・は嘘だな、ちょっと恨みながら無理して覚えました。採用語の選択がほんとにうまいと思います。大変役立ちました。後者はこれの熟語版。

有名なDUOのほかあれこれ手を出しましたが、何度も復習したのはこの↑神部孝の二冊。二冊だけと言っても、きちんとものにするのは大変です。絞った方がよろし。

単語と熟語について、私が、いろいろ書いていることは、上の二冊の序文で、著者神部孝氏が仰っていることの受け売りです。でも自分の実体験を通じて納得した受け売りですよ。

評判良さそうなので他に探すと、例えば、

英単語・熟語ダイアローグ Basic1200 の商品写真  英単語・熟語ダイアローグ Basic1200
著者: 秋葉 利治・森 秀夫
出版社: 旺文社

英単語・熟語ダイアローグ 1800 の商品写真  英単語・熟語ダイアローグ 1800
著者: 秋葉 利治・森 秀夫
出版社: 旺文社

ですとか、

DUO 3.0 の商品写真  DUO 3.0
著者: 鈴木 陽一
出版社: アイシービー

などかな。

どれも売れ筋かつ実力有りですが、ひとによって向き不向きもあります。例えば、DUOは私には合わなかったし、収録数がこれだけだと少ない気もします。でも、最初はその方がいいという人もあるでしょう。

いずれにせよ、本屋さんで実物をじっくり見て、選んで下さいませ

私が考えるチェックポイントを挙げてみましょう。勿論、本屋さんで見て気に入って、わざわざここで買っていただければ幸いです*5。けど、やっぱり本屋さんで現物確認したらぜひそのお店で購入してくださいませ。でないと本屋さんがなくなっちゃいます。

では話を戻して、チェックポイント!

  • 日本語だと変わった単語じゃないのに、対応する英単語だとぜんぜん知らないという言葉が多く載っているもの
  • なんかやりやすそうなもの。しばらくお付き合いするのだから、前書き、あとがき、中身などしっかり見てみましょう!
  • 例文が豊富なもの
  • (いまはみんな付いていると思いますが)CDがついているもの*6
  • 長ったらしいシリーズで何冊も買わせないもの!単語・熟語併せてせいぜい二冊

全部が満点のものも無いと思うので、最後はえいやっ!で決めたら、あとは脇目も振らず、「あっちが良かった」とも思わず、縁を大事にモノにしてくださいませ!

上に挙げたようなものなら、長年の定番なので安心はあるかな。

次回 sergejOの大人から始める中高生にも役立つ英語講座は、第七回 具体論2 単語と熟語と題しまして、単語・熟語の勉強法については書いてみまーす。
http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20080610/1213076240




p.s.1:前置詞はネットでprepositionなり前置詞なりで画像検索したもので十分です
https://www.google.co.jp/search?q=preposition&prmd=ivnsa&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjt7bO8043RAhVKgLwKHfz7DlgQ_AUIBQ
多分、日本のネットで一番有名なのはこれかな?
https://learnenglishorstarve.files.wordpress.com/2012/11/fail-prepositions-via-2012-1119-1771019131_n.jpg?w=535&h=395
元は誰がお作りになったのか。ありがたいことです。


p.s.2:特に時間に余裕のある大学生や中学生のみなさんに!
語源とか語根といったものに強くなって、意味を想像しやすくするという方法があります。覚えるにあたっても、はたまた、読解で知らない単語にでくわしてなんとなく想像するにも役立ちます。

おすすめ書籍はいろいろありますが、例えば、

語源中心英単語辞典 の商品写真  語源中心英単語辞典
著者: 田代 正雄
出版社: 南雲堂

語根中心英単語辞典 の商品写真  語根中心英単語辞典
著者: 瀬谷 広一
出版社: 大修館書店

などなど。

一日たったの1ページで良いので、「なにこれ?」って思いながら続けていけば、それだけの効果あり。一日一ページなら一年で終わります。ちゃんと覚えようとするとかなり大変ですから、あまり意気込まず。

語学の天才は普通の辞書を一冊読み通したりしますが、それはさすがに大変です。それを思えば、上の語源・語根辞典ならいい感じ程度になりませんか?

といっても、ミラクルは期待しない方がいいです。「語根辞典で勉強して飛躍的にミラクルボキャビルできました」って、語根辞典ちゃんと覚えるだけでもえらい大変。地味な作業です。王道もミラクルもありません。

似たような語根でも違う意味、なんてこともあって、そんな都合良くいきません。でも、できればやってください、その方が得です、といった感じ。

日頃辞書を引く際ですが、良い辞書なら語源が書いてあるはずです。contradictなら「ORIGIN late 16th cent.: from Latin contradict- ‘spoken against,’ from the verb contradicere, originally contra dicere ‘speak against.’」などと。
こういうところも注意して読んでおくと意外に記憶に残しやすいし、言葉の語感を掴める、たまに知らない単語の意味も類推でしやすいですよ、なんてことです。わたしの実感としては、「類推しやすいですよ」と「類推しやすいかも」の中間くらいです。*7 *8

*1:勿論、文法すっかり忘れて読めない時はべつですが。もし中学生でこれをお読みの方がいらっしゃったら、文法やったこともないので、もちろん話は別。やっぱり文法もきちっとやんないと行けません。でも単語と熟語を先に力いれてしまった方がいいですよ。のちのち、文法編でご紹介している長本氏の著書にも、最初に語彙を身につけた人の方が伸びるとありました。

*2:横道に逸れますが、森鴎外に委蛇録という日記があります。全集は持っていないので知りませんが、新書版選集なら第21巻。漢字ばかりの日記で、時折知らない漢字が出て来て、漢和辞典など引きましたら、1ページ5分掛かることもあってえらいこっちゃでした。図書館や古本屋にはあると思いますので、ご覧になってみるといいかなと。ややこしい漢字ばかりで引用諦めましたが、使っている感じがややこしくてちんぷんかんぷんだが、内容はまったく簡単な日常の記録に過ぎないという代物。

*3:一万語の単語帳で、5000語はなんにでも共通する基礎的な語彙としても、残りの5000が政治経済時事問題から選ばれた場合、小説や映画を英語で楽しみたい人には努力の割には役にたたない。そんなことであります。

*4:私のやり方ですが、余白に、類義語やら反対語、関連語など新しく覚えたいものに出会う度に書き込んで、自分だけの参考書を作り上げていきました。

*5:小銭を稼ぐのって幸せ!

*6:まーでも意外に使いにくいですけど。一単語一単語再生できるわけでもないから、ぱっととある単語だけの音を聞き直しなんてできない。これが使いにくいんですね。

*7:ほんとに確実にミラクルに飛躍的に伸ばすなら、受験産業がもっと力を入れていることでしょう。

*8:わたしがこの連載で書いているようなことを、中学一年から初めても、別に難しくないし、のんびり焦らずやれば英語なんてすごいできるようになりますよ。学校の授業もありますからね。まず、取りあえず発音、単語と熟語だけはきっちりやってくださいませ。その後、文法!!大変なことないですよ、だって冊数で言えば、発音1、単語・熟語2、文法1ないしは2だけですから。自主勉強は学校のスピードに合わせる必要は無いです。どんどん追い抜きましょう。大学受験レベルっていっても、英語なんて大したことないんです。数学・読書・外国語なんてものは、毎日、一時間ずつないしは、30分ずつでも当ててやっておけば、随分違います。直前でほれ受験だ!と慌てるから大変なだけです。どの科目でも教科書より判りやすくて、面白い本なんていまは幾らでもあります。そういうものを見つけることです。かえって教科書だから詰まんないのではないでしょうか?学校が終わって時間はたっぷりあるのですから、好きなことを思いっきりやっても、数学、読書、外国語をそこそこやるのは難しくないでしょう?一番やりたいことは、スポーツでも、絵でも、音楽でも、文学でも、コンピュータでも、勿論ちゃんと熱心にやらないといけません。それをやらないで、必要な勉強だけしているといい学校に受かっても後で苦労します。